2014年のスマホ業界の大きな話題の1つが「SIMフリー」。
本体だけで購入できるSIMフリースマホは「格安スマホ」としても知られるようになりつつある。また格安SIMを販売するMVNOキャリアと組んで、手軽に買えるセット製品も増えてきた。

2015年の来年も、メーカーが自由に販売できるSIMフリースマホは販売数を増やしていくだろう。
しかし、まだまだ多くのメーカーは日本国内へのSIMフリースマホ投入には及び腰だ。来年こそSIMフリースマホを出してほしいメーカー5社を選んでみた。

1.ソニーモバイルコミュニケーションズ
日本では好調なソニーのスマホ『Xperia』シリーズも海外では苦戦が伝えられている。
来年は製品数が絞られ、ハイエンド製品に特化するという。
だがほぼ半年おきに投入される同社のスマホは、ハイエンド機種以外にも魅力的な製品が多くある。
SIMフリー機種が提供されれば、機種変や通信キャリア契約にしばられず、より多くのXperiaをユーザーも使える。


XperiaのSIMフリー機投入は日本メーカーの顔としてもマストだ


1台はキャリア契約で購入し、半年後に出た新製品はSIMフリー機種を分割払いで購入、といったようにできれば気になる新機種をもっと多くのユーザーが手軽に買えるようになるだろう。また海外からの外国人観光客にとっても、ソニーのスマホが自由に買えれば喜んで購入していくだろう。日本メーカーの代表として、ソニーこそSIMフリースマホを率先的に販売するべきだろう。

2.パナソニック
日本のコンシューマー市場から撤退してしまったパナソニック。しかし、インドではパナソニックの名前を冠した格安スマホを出している。但しそれらは日本人にとってスペックが低くそれをそのまま日本に持ってきても通用はしないだろう。
だがパナソニックは2014年11月にヨーロッパで高画質カメラを搭載したデジカメスマホ『LUMIX CM1』を発売した。10万円を超える高価格品だが、同じ価格クラスの高級デジカメに匹敵する大型センサーを搭載しており、撮影した写真のクオリティーはiPhoneどころか各社のスマホをはるかに凌駕するほどだ。旅行先で荷物を減らしたい時など、CM1だけで本格的な写真撮影をすることも可能だ。


カメラ機能からパナソニックのスマ


CM1は日本での展開も予定されているが、日本メーカーの製品であるにもかかわらずヨーロッパでの先行発売となったのはちょっと残念だ。今すぐにでも日本での販売を期待したい。
いずれはCM1の後継機種も出てくるだろうし、CM1から派生したカメラ強化スマホがLUMIXブランドで出てくる可能性もある。カメラに強いスマホといえばパナソニックというイメージを植え付けるためにも、日本での展開は必要だ。

3.レノボ(モトローラ)
パソコンではすっかりおなじみのメーカーとなったレノボ。海外ではスマホメーカーとしても多数の製品を販売している。
2014年にはモトローラも買収し、今後出てくるモトローラのスマホはレノボ製となる予定だ。モトローラのブランドは日本でもまだ人気があるし、最近発売されたモトローラスマホはハイスペックな製品が多い。
一方レノボブランドのスマホもハイスペックでスタイリッシュな『Vibe』シリーズに加え、東南アジアで人気の1万円台の格安スマホなど多数の製品ラインナップを揃えている。


高級モデルも多いレノボ。モトローラブランドスマホにも期待


レノボの強みは日本全国の家電量販店にPC販売ブースを設けていることだ。
そこにモトローラやレノボブランドのスマホを置けば、今すぐにでも販売を始められる状況だ。また格安SIMキャリアも現時点では各社取り扱いスマホが数機種しか無く、ラインナップの拡充を求めている。ASUSのZenFoneのように、量販店での単体発売とMVNOキャリアと組んでの販売を行えばレノボのスマホもすんなりと日本市場に入ってこれそうだ。

4.マイクロソフト
ノキアを買収したマイクロソフトはWindows Phoneスマートフォンを2015年から自社ブランドで本格展開していく予定だ。
マイクロソフトもレノボ同様、日本の量販店でタブレット『Surface』シリーズを販売しており販路を持っているのは強みだ。またWindows PhoneはPCやタブレットと互換のオフィスアプリが動くため、企業向けにも販売できる。


Windows Phoneも高性能モデルが増えている。マイクロソフトは日本にも出すべきだ


現在海外で発売中のWindows Phoneは、すでにハイスペックな製品も揃っている。
6インチファブレットの『Lumia1520』、金属フレームで高級感ある『Lumia930』は海外でも高評価を受けており、日本でも通用する製品だ。
また初のマイクロソフトブランド、5インチ画面で低価格な『Lumia535』は格安スマホの概念を変える製品といえる。
これらの製品の後継機となる2015年モデルが出てきたならば、日本で販売しない理由はもはやないだろう。

5.ブラックベリー
海外では劣勢が続くブラックベリー。
日本でブラックベリーが販売されていた頃は、専用のメールサービスや専用プランに入らなくてはならず導入ハードルが高かった。
だが今や他社のスマホと同じデータプランで利用できる。また一部のAndroidスマホのアプリも動くようになっている。
なによりキーボードを搭載したスマホが欲しい層は、いまでも一定数いる。

ブラックベリーのビジネス層をターゲットにした高級感あるボディーの質感は他社には無い美しさがある。各社のスマホの外見が横並びとなった今こそ、ブラックベリーにはSIMフリー機で日本再進出を願いたいものだ。


ビジネス層も納得の高品質。キーボード派のためにもブラックベリー日本再上陸を期待



山根康宏