フィリピン移民局は15日、同国首都圏のメトロ・マニラにあるパサイ市内の商業施設で、不法滞在の疑いがあるとして中国人26人の身柄を拘束した。フィリピン移民局は2013年12月11日にも、マニラで中国人77人の身柄を拘束した。中国新聞社が報じた。

 中国駐フィリピン大使館の沈自成総領事によると、大使館はただちに移民局側と会談するなどで、拘束された中国人の合法的権利をできるだけ勝ち取るべく活動を始めた。

 移民局は拘束された中国人のうち2人を、身分が確認されたとして当日夕方に釈放した。その他にも、フィリピンと中国の2種類のパスポート所有者や、フィリピンに対する納税証明を提示した中国人がいたが、移民局は「身分が確定できたわけではない」と、同日中の釈放は認めなかった。

 中国新聞社は「拘束された者の多くは観光客で、観光ビザも有効。うち1人は14日にフィリピンに入国したばかりだった」、「26人は拘束された日、移民局4階の室内で夜を過ごした」などと、フィリピン当局に対する不満がにじむ伝え方をした。

 フィリピンは南シナ海に浮かぶスカボロー礁(中国名:黄岩島)や、スプラトリー諸島(中国名:南沙諸島)の領有権をめぐり、中国と対立している。また、不法滞在の疑いがあるとして中国人多数の身柄拘束する「抜き打ち検査」をしばしば行っている。(編集担当:如月隼人)