犬への罰としてやってはいけない行為があります

「吠える」「飛びつく」「物をかじる」「あちこちで排泄をする」などといった行動は、犬にとっては自然なことです。
しかし、犬は人間の社会で生きています。
犬にとっては自然な行動が、人間社会では迷惑な行動になることもあります。

愛犬が人間社会において迷惑な存在にならないためにも、そして飼い主さんと愛犬が幸せに暮らしていくためにも、飼い主さんは愛犬が人間社会に適応できるように、しつけなくてはいけません。
これは、飼い主の義務と言えます。

しかし、愛犬にしつけをする上で、罰としてやってはいけない行為があります。
その行為をやってしまうと、愛犬との信頼関係が壊れて、飼い主さんの指示に従わなくなったり、攻撃的になってしまったりすることがあります。

逆に、愛犬が萎縮してしまい、常に飼い主さんの顔色をうかがいながら、おどおど生活するようになる可能性もあります。いずれにしても、お互いにとって幸せな結果は得られません。

ですから、罰としてやってはいけない行為は避けて、しつけを行う必要があるのですが、どのような行為がNGなのでしょうか?
以下から4つのNG行為をご紹介していきます。

罰としてやってはいけないNG行為|,

信じ難いことですが、今から20年ぐらい前までの犬のしつけ本では、しつけのために犬を平手で叩くといった行為が許容されていました。
しかし現在は、たとえしつけのためであっても、犬に肉体的苦痛を与える行為は、絶対にNGとされています。

しつけのために犬を叩いても、プラスになることはひとつもありません。
小型犬であれば、叩くことでケガをしてしまう危険が大いにあります。
中型犬や大型犬の場合、小型犬と比べればケガを負うリスクは低いかもしれませんが、強いストレスを感じたり、人に対する不信感や警戒心が強くなったり、恐怖心が植えつけられたりすることは避けられません。

飼い主さんは、愛犬のよくない行動への罰として叩いているつもりでも、犬にはそのことは伝わりません。
それはつまり、犬にしてみれば理由もなしに暴力を振るわれているようなものです。
叩かれる理由も、どうしたらいいのかも分からない犬が、委縮してしまったり、「何もしなければ叩かれない」と無気力になったりしても、おかしくはないでしょう。

また、叩かれることによって、人の手を怖がる「ハンドシャイ」になり、人が手を近づけると怯え、恐怖のあまり噛むといった攻撃行動に出てしまうこともあります。

飼い主さんの手は愛犬にとって、苦痛を与える怖い手ではなく、撫でてくれたり、美味しいものをくれたり、抱っこしてくれたりするやさしい手であるべきです。

罰としてやってはいけないNG行為仰向けにして押さえつける

昔のしつけ本では、犬を仰向けにして押さえつける「アルファロールオーバー」という方法で人間の方が上位だということを、犬に教えるように紹介されていました。

犬は恐怖を感じる相手に対し、お腹を見せて服従のポーズを取るため、言うことを聞かない犬に無理やり服従のポーズを取らせて、上下関係を教え込むという、間違った考えに基づいているようです。

言うことを聞かない罰として仰向けにされ、力ずくで押さえつけられても、犬は恐怖を感じるだけです。
そして、恐怖でいっぱいになった犬はどうするかというと、自分の身を守るために、威嚇や噛みつきなどといった攻撃行動に出ます。それは、相手が飼い主さんであっても例外ではありません。

罰としてやってはいけないNG行為マズルをつかむ

犬が悪いことをしたら、犬のマズル(口吻)をグッとつかみ、犬が観念するまでつかみ続けるという方法も、昔のしつけ本の中でよく紹介されていました。
これを「マズルコントロール」と呼びますが、マズルコントロールとは本来、母犬が子犬の口先を軽くくわえて、子犬の興奮をおさめたり、落ち着かせたりする行動のことです。
ですから、犬が悪いことをしたときの罰として、マズルをつかむというのは間違っています。

マズルは犬にとって敏感な部分ですので、マズルを無理やりつかまれると、不安や恐怖や痛みを感じることがあります。
その結果、飼い主さんとの信頼関係が壊れたり、マズルを触らせなくなったり、噛むようになったりすることもあります。
愛犬のマズルに触れなくなると、歯磨きや顔周りのお手入れができなくなるので、罰としてマズルをつかむのはやめましょう。

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愛犬を叱ったときに、罰としてハウスに閉じ込めるのもNGです。
犬は本来、狭い空間にいると安心できる習性があるため、クレートやケージといったハウスは、犬にとって落ち着いて休める場所です。

しかし、罰として強制的に入れられると、ハウスを嫌な場所と考え、ハウスに入ることを避けるようになってしまう可能性があります。

ふだんからハウスで過ごすことに慣れていないと、入院時や災害避難時など、クレートやケージに入ることが必要になったときに、強いストレスを感じることになります。
罰を与えるためにハウスを使うのはやめましょう。

まとめ

犬はそれぞれ性格が違うため、犬が10頭いたら10通りのしつけ方があると思います。
しかし、ご紹介したように、犬が恐怖や苦痛を感じるような行為を罰として与えるしつけ方は避けましょう。
愛犬のよくない行動を正すどころか、さらに状況を悪化させてしまう可能性が高いです。

現在は、叱らないしつけ、罰を与えないしつけが主流になりつつあるようです。
愛犬のしつけ方が分からないときは、ドッグトレーナーや獣医師に相談してみるといいでしょう。トレーナーの中には体罰を使う方もいるようなので、体罰を使わないトレーナーを選ぶことをお勧めします。

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