3人で話すようになって、ハーモニーも変わった。



――こうしてお話を伺っていると、3人とも本当に仲がいいんだなぁと思うんですが。たとえば長年コンビを組んでるお笑い芸人さんだと、移動のときに新幹線の席を離す、みたいなお話も聞きますけど、Kalafinaさんの場合はどうですか?
 
Keiko きっとその芸人さんの場合は、それがいい仕事をするための方法なんでしょうね。私たちの場合はハーモニーをすごく大事にしていて、ハーモニーは心のつながりで作られていくものだと思っているんです。Kalafinaは、譜面上の音符を追っかけて歌うような、そういったコーラスの合唱ではないので。

――単純な合唱とはまったく違うというのは、素人耳にもわかります。

Keiko その日のメンタルとか、それぞれがこのステージに賭ける思いとか、すべてが声に出る。それを重ねてハーモニーにするので、敏感に、耳で体で感じ取るっていうのが大事なんですね。だから、私たちの場合は逆に、コミュニケーションを密にとります。
Wakana どんなに部屋の数があっても、楽屋は常に一緒だもんね。
Hikaru それぞれに用意されていたとしても、たぶん自然に集まってる(笑)。
Wakana 「Keikoの部屋に集合ねー」とか言って(笑)。飛行機も電車も、絶対に3人で横並びだもんね。
Keiko  3人それぞれ性格も趣味も違うけど、だからこそ、仕事以外の部分で「あれ行ったよ」「これ食べたよ」「これ良かったよ」みたいになるべく会話をしてる。
Wakana そうそう。
Keiko やっぱり女の子は、語ってなんぼ。どんなに性格が合わない同士でも、話し出すとどこかいいところを見つけたり、何か楽しい話題があったりするものだと思うんです。Kalafinaになってからは特に、仕事以外の時間を共有することを大事にしてますね。

――3人で話すようになって、ハーモニーが変わったという発言もされてますよね。

Keiko 変わったよね。全然違う。
Wakana ライブを始めた頃から、もっとお互いを知りたいと思うようになりました。毎月ライブをやらせてもらってた時期があったり、アジアツアーをやったりと一緒にいる時間がどんどん増えてきたので、その中で、相手の思っていることを聞きたい、話したいっていう気持ちが自然と出てきて。
Keiko 一体全体何を考えて、何を思って生活してるのかな、とか。何を感じながらこの曲を歌ってるのかな、とか。やっぱり話さないとわからないし、気になっちゃう。お互いを知ることがコーラスのハーモニーにつながってるんだなって、つくづく思います。



――すみません。素人考えだと、しゃべることがどうしてハーモニーに関係してくるんだろう、というのがいまひとつわからないんですけど…。

Keiko そうですよね。Kalafinaの音はですね、思いやりがないと出せないんです。(プロデューサーの)梶浦(由記)さんが作られる緻密な旋律、ハーモニーの積み、そこに楽器たちが加わって4音、5音になってるときに、誰かが主張したり好き勝手歌ったりっていう感情を出した瞬間、ぐちゃぐちゃって、一気に曲の大事な部分が崩れるんですよ。

――なるほど。

Keiko 各自がいちボーカリストとしてやってはいるんですけど、Kalafinaっていうところがやっぱり大事。自我は、ときどき出てくるソロパートで出せば、自分たちの「今の表現力」を見せられるし、それが対比になってさらに面白いかなと。

――その「思いやり」というのは、たとえば「誰かが今日はちょっと弱ってる感じだからフォローしようかな」みたいなこともあるんですか?

Keiko そういう意味でのフォローは少ないです。3人ともわりと強いので、多少弱ってても、やり切るんですよね。逆に「今日の会場は、きっと初めてのお客さんが多いよね。じゃあその人たちに向けて、どう歌にする?」「丁寧に歌おうか」とか。わりと前向きなフォローの仕方が多いですね。

――マイナスではなく、プラスを積み重ねる感じなんですね。でも本当に美しいハーモニーですよね。技術的なことが全然わからなくても「難しいんだろうな」っていうのは思います。

Keiko ほんっっとに難しいです!(笑)最初の頃は特に、苦戦していましたね。

お化け屋敷みたいで怖かった!? 『blaze』MV秘話。



――8月10日にニューシングル『blaze』がリリースされましたね。

Keiko 3人のボーカル3声で始まる、勢いのある曲だなと思います。エネルギーを感じる曲。歩き続ける、走り続けるっていう気持ちが強く出ていて、メッセージ性もあって。
Wakana タイトルの『blaze』は「炎」という意味なんです。「灯火(ともしび)」とか「熱量」っていう言葉も出てきて、「熱さ」がずっとあるんですよね。
Keiko その炎は、人の心にずっとともされているもの。大きく燃えたぎってしまうと必ずしぼむときが来るけれど、常に炎を絶やさず燃やし続けるっていう。持続していくことの難しさとか、信念とか。そういった強さのカタマリみたいな言葉が、すごく似合う曲ですね。

――Hikaruさんはいかがですか?

Hikaru 私は最初に聴いてすぐ、ハードな曲だなと思いました。最初から最後まで全力で歌わなきゃいけないなって。
Keiko フレーズごとの最後、大事なところでHikaruが唯一ソロで歌っているワードにつながっていくんですけど。そこがやっぱり、この曲の聴かせどころ、この曲の意味するメッセージの本質なのかなって。
Hikaru 「歩き出してた」というワードが必ずサビの最後で入ってきて、一番最後だけは「走り出してた」になるんです。ここは「走ってた」とかじゃなく「走り出してた」っていう言葉に、過去も今も未来も含めたような、「またここから過去を抱えて、新しくスタートしていくんだ」って気持ちが込められている気がします。
Keiko 毎回新しくスタートしていく、っていうイメージなんですよね。ずっと走り続けて、最初から最後まで変わらず、ワンコーラス終わってもまたイチから、みたいな。
Hikaru なので、サビの最後で歌声がひとりになるところは、「ひとりになったとしてもやっぱり前に進みたい」と思う、強い気持ちを込めて歌わせていただきました。



――MVの撮影はいつ頃行われたんですか?

Wakana  6月くらいかな? 夏の始まりだったよね。
Keiko だけどロケ地は、都内からは離れて山のほうだったので、気温はがーんと下がって。ひんやりしてましたね。
Hikaru 涼しかったです。

――撮影中に印象的だったことはありますか?

Keiko ロケ地が、サバイバルゲームの会場に使われる場所なんですよ。それで、普段はみんなで撃ち合うのに適しているような場所だから、建物に死角が多くて隠れられたり、マネキンとかあったりするので。
Wakana お化け屋敷みたいで怖かったよね。
Keiko 夜になればなるほど怖くて…。たまにBB弾で足元がすべるしね(笑)。
Wakana そう、床にいっぱいBB弾が落ちてて…。でも、やっぱり山の上だから、夜の星空はすごく素敵でした。



私たちは走り続ける、旅はずっと続いていく。



――では最後に、9月にアリーナライブ、12月からは全国ツアーが控えているというころで、ライブへの意気込みを聞かせてください。

Keiko 今回はアルバムやシングルをタイトルにしたライブではないので、今のKalafinaの音楽を聴いていただけるライブにしたいなと思っています。3人で1曲1曲をもう一度掘り下げながら作っているところです。
Wakana 歌うこととかライブっていうものを根本的にいろんな視点から考えたステージになっています。自分たちがやりたいことはライブなんだ、という思いを改めて感じているので。
Keiko Kalafinaの場合、楽器が歌声に変わるようなことがあったり、私たちが楽器の一部になるようなハーモニーをしたりとか、ひとつの音楽を作るにあたって、楽器のプレイヤーの方との距離がとても近いんです。音のエンターテイメントという意味で、歌声だけではなくて、その1曲をどんなアプローチで作っているか、奏でているかという部分を掘り下げていきたいなって。
Hikaru アリーナライブは特に広い会場なので、初めていらっしゃる方もたくさんいるだろうなと思います。初めましての方にも、今までKalafinaのライブに足を運んでくださった方にも楽しんでいただけるように、1曲1曲を作り上げています。是非、会場にいらしてくださればうれしいです。
Wakana お客さんも一緒に音楽を楽しんでいただける空間にしたいですね。『blaze』の歌詞にもありますけど、「走り続ける/旅はずっと続いて行く」ということを、みなさんに表明していきたいなと思います。



【プロフィール】
Kalafina(カラフィナ)/Wakana、Keiko、Hikaruの3人による女性ヴォーカルユニット。2008年1月に梶浦由記プロデュースによりシングル『oblivious』でデビュー。2009年に1stアルバム『Seventh Heaven』をリリースして以降、全アルバムがオリコンウィークリーチャートのTop10以内にチャートイン。劇場版アニメ『空の境界』シリーズ、テレビアニメ『黒執事』『魔法少女まどか☆マギカ』『アルスラーン戦記』のエンディングテーマ、『ソ・ラ・ノ・オ・ト』『Fate/Zero』オープニングテーマなどを担当。NHK『みんなのうた』2012年6月・7月放送曲、歴史情報番組『歴史秘話ヒストリア』オープニング&エンディングテーマを担当し、さらに活躍の幅を広げた。日本のみならず海外でのライブ活動も精力的に行っている。
【Official Web Site】http://www.kalafina.jp
【Official Live Site】http://www.kalafinalive.com
【Official blog】http://lineblog.me/kalafina/
【Kalafina Staff Official Twitter】@Kalafina_Staff


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今回インタビューさせていただいた、Kalafinaさんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:8月26日(金)12:00〜9月1日(木)12:00

■当選者確定フロー
・当選者発表日/2016年9月2日(金)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月2日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき9月6日(火)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

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