一昨年までデフレの雄として値上げ戦争を繰り広げていた牛丼。昨年から松屋は2度の値上げ、吉野家も2度値上げした。4月には、ついにすき家も値上げしてしまい、牛丼最安値戦争は終了。牛丼の話題も減ってきた今日この頃、値上げの影響はいったいどうなのか各社に聞いてみました。

元祖牛丼チェーン・吉野家は?


まずは老舗の吉野家さんに聞いてみました。
「もちろん客数としては下がっていますが、いろいろな商品を投下して客単価で(売上を)上げるようにしている」とのこと。
牛丼の売上はどうなっているのかを聞くと、「単価が上がっていますので牛丼の個数というか全体の客数が減っている」そう。
やはり値上げの影響は大きいようですがそれ以上のコメントをもらえず。むしろ担当者は、「なぜ今の時期の電話取材なのか?」ということを非常に気にされていたので調べてみると、取材した7月に出ていた前月売り上げがあまり良くなかったということが判明。こちらとしては特に意図がなかったので、少し失礼なことをしてしまいました。



「プレミアム化」で一番最初に値上げした松屋は?


次に、松屋さんにも聞いてみました。
「当社は牛めし単体の推移は非公表となっています。月次での売り上げは101%です。(7月時)新メニューの導入など、客単価を上げていることによって売上が101%になった」とのこと。
他社さんの値上げの影響についてはコメントをいただけず。やはり各社ともに値下げ競争のときより、口が堅くなっている様子がうかがえます。松屋さんは牛めしの値上げ自体がけっこう前なので最近の影響は少なさそうです。



量が多い!? すき家は?


最後に聞いたすき家さんには、けっこうしっかりとお答えいただきました。
「外食全般はどこも苦戦している。入客数を増やしたいが、客単価を増やすしかない。円安の影響を受けて原価が上がっているので苦しいところ。入客数は、値段が認知されてくれば緩やかに回復して戻るだろうと予想している。円安は特に影響していない。前々月売上がよかったのは、うなぎを先行的に販売していた店舗だった。5月からは客単価が上がっているということもあり、商品戦略でやっていく」とのことでした。



夏の時期は、暑すぎて人によってはこってりした牛丼を食べるのが厳しいかもしれませんが、3社ともに牛丼ではなく別の商品で客単価を上げて、値上げの影響を回避しているのがわかりました。

そんななか、7月末にひっそりとらんぷ亭さんでは全店舗が閉店。こちらは親会社が変わったという理由からだそうですが、いずれにしろ大人気だった牛丼でも生き残りは厳しい世の中になったようです。
(カシハラ@姐御)