韓国メディアの朝鮮ビズは26日、韓国国内の輸出製造業が日本への輸出に対し、すでに価格競争力を失っているとし、大韓商工会議所が韓国国内の輸出企業を対象に行なった調査結果を掲載したほか、多くの輸出企業が「損害がある」と回答したと報じた。

 26日、大韓商工会議所が韓国国内の輸出企業300社を対象に「円安の影響により損害があったか」という調査結果を発表。その結果、回答企業の55.7%が「損害がある」と回答したという。

 韓国国内で写真の印刷に用いる化学品を日本に輸出しているA社は、すでに日本での価格競争に押されてきているとし、取引先を同業種の日本企業に奪われ始めたという。また、A社は昨年より、対日輸出量が20%減少したため、仕方なく単価を5%以上値下げして売るしかなかったという。
 
 しかし、韓国国内の輸出企業は円安に対する対応策を用意していなかったという。大韓商工会議所の調査結果では、「対応策を用意している」と回答した企業は12%にとどまり、「対応策を用意していなかった」と回答した企業は70%ちかくあったうえ、その内の60.8%の企業は「対外経済環境の不確実性」に対して対応策を用意していなかった理由としてあげたほか、16.7%は「一時的な現象だと考えてる」と回答した。

 続けて、大韓商工会議所の調査で明らかになったことは、韓国政府が輸出企業のために重点的に推進すべき政策として、52.3%の企業が「為替レートの危機管理支援」と回答したほか、44.0%の企業が「輸出企業に対する金融支援の強化」を挙げており、韓国政府の政策が対応しきれていない状況を表した。

 この状況について、大韓商工会議所のジョン・スボン経済調査本部長は「アベノミクスの初期に懸念していた近隣窮乏化政策(他国の経済を犠牲にして自国の経済的利益を狙う政策)が現実化してきている」とし「韓国企業が価格競争力で押されてはいるが、事業構造を効率化し、製品の付加価値を向上させることで、この厳しい状況を克服していけなければならない」と述べたと報じた。(編集担当:李樹香)(イメージ写真提供:123RF)