坂口恭平って人がいる。なんでも、自分で勝手に立ち上げた「新政府」の総理大臣らしい。『モバイルハウス三万円で家をつくる』は、坂口恭平が建国した新政府プロジェクトの前日譚であり、「家」に関する思想書でもある。坂口さんのモバイルハウスという試みは、実に素朴な疑問から始まる。「なぜ、人間の生活に欠かせないはずの『家』を手に入れることが、こんなにも困難なのか」家は、多くの人にとって人生で最も高額な買い物だ