昭和30年代、庶民にとって最大の娯楽は映画だった。日本映画界は黄金期を迎え、スクリーンでは美空ひばり、中村錦之助、石原裕次郎、池部良、鶴田浩二、大川橋蔵、勝新太郎、市川雷蔵といったキラ星のようなスターが大活躍していた。「あの頃のスターはみんな華があって、石原裕次郎さんや原節子さん、山本富士子さんなんて、姿が見えなくても『今日はあの人が来てるんじゃないか』ってわかるほど、どこにいても本当に光り輝い