今夏のロンドン五輪に向けた代表選考が各競技で活発化している。とりわけ異色の選手が台頭しているのが、男子マラソン界。何しろ話題の中心にいるのは、「無職」と「公務員」なのだから。マラソンといえば実業団――今やその常識は崩壊寸前。いや、それどころか、世界に大きく後れを取る「病巣」が潜んでいたのだ。 「レース前に見た瞬間、よくここまでしぼったな、と感心するほどの体と、今まででいちばん精悍な顔をしていまし