『バックミラー』には、羽田圭介さんが過去10数年の間に発表した短編から自選した12編が並ぶ。意外にも、これが作家人生の中で初めての短編集だそう。人の見せたくない恥部を覗き込む、人間観察力のすごみを味わう短編集。「まとめて読み返してみて気づいたのですが、それぞれの短編を書いたときに自分がどんな環境でどんな家に住んでいたのかが、意外と各編の中にリアルに埋め込まれているなと感じました。東京郊外が舞台の短編を