【島田明宏(作家)=コラム『熱視点』】 先週水曜日の夜、岳父が世を去った。がんや脳梗塞、心臓の弁の不具合など、いくつもの病気と闘っていた。見守っていた家人によると、眠るように息を引き取ったという。94歳だった。 海軍兵学校最後の期のひとりで、早大卒業後、竹中工務店に入社。若いころは東京タワーの建設に携わり、50代のときUAEのアブダビ空港建設責任者として現地で指揮をとり、役員に上り詰めた人だ。