閉じたばかりの傘からキラキラ光る雨粒が滴る。秋驟雨に洗われ濡れた路面が反射する太陽の光は、豊島将之の白いワイシャツを一層引き立てる。同じ雨に打たれたのだろう、広瀬章人のまとうスーツの肩先は湿り気を帯びている。水滴を優しく払いスタジオに入ると、いつも通り静かで優しい、柔らかい笑顔をみせる。昨期、竜王戦七番勝負の大舞台で明暗を分けた二人だけに、対談の提案は迷いを生んだ。奪うもの、奪われるもの。勝負の世