視界がにじみはじめたのは、先発の中島雄大君が三振で二つめのアウトを取った頃だった気がする。6月、奈良高専との記念試合の一回裏、奈良県大和高田市の高田商業の守備。遊撃手の三戸浩輝(ひろき)君はグラウンドでスタンドの下級生、ベンチにいる3年生の声援を聞いていた。このメンバーで野球をするのは最後だな――。気づいたら、号泣していた。「三戸ー、早すぎるやろ!」。ベンチに戻ると、みんなが笑いながら肩を抱い