私は2007〜09年、厚労大臣として諸問題の解決に奮闘したが、その頃と最近とでは大きく異なる点がある。第一は、自民党の劣化であり、第二は、各省庁の自律性の低下である。要するに、首相官邸の力が強大化しすぎて、与党も官僚機構も萎縮してしまっているということであり、それは安倍長期政権がもたらす日本の政治システムの機能不全である。  私が厚労相として取り組んだ問題の中から、具体的な例を二つ挙げてみよう