甲子園に「花巻東旋風」が巻き起こったのは、2009年のことだった。春のセンバツでは岩手県勢初の準優勝。夏の大会もベスト4まで勝ち上がった。マウンドで躍動する菊池雄星の姿に、灼熱のアルプススタンドが揺れた。夏の大会、菊池は準々決勝で「呼吸しても痛みが走る」ほどの背筋痛に襲われ降板した。準決勝は0-6とリードされた場面で、「この仲間のためだったら、もう一生投げられなくなってもかまわない」と救援登板したが、