「右傾化」が世界的に進んでいるといわれる中で、異民族による協和は果たして実現可能なのか疑問符が浮かぶ。それでも、可能性はある。それを示すのが「建国大学」の卒業生たちだ。1932年から1945年の間、現在の中国東北部に一つの国があった。「満州国」である。その建国の際、日本人・漢人・朝鮮人・満洲人・蒙古人の五族が協調して暮らす「五族協和」が掲げられた。建国大学は1938年、満州国の新京(当時。現在は長春)に創立さ