不振が続く出版業界。目につくニュースといえば、書店の廃業や雑誌の休刊など暗い話題ばかり、景気のいいニュースは『火花』の芥川賞受賞が最後かもしれない。こんな話から始めると『たべるのがおそい』(書肆侃侃房刊)の試みを理解しやすいのではないか。『たべるのがおそい』は、今年4月に創刊された文芸ムック。国内外の小説やエッセイ、短歌などが収められた「新しい文芸誌」だ。「文学書が売れない」「雑誌も売れ