デビュー作『盤上の夜』がいきなり直木賞候補に、そして『ヨハネスブルグの天使たち』、『エクソダス症候群』と立て続けに話題作を発表し、今もっとも注目すべき作家の一人である宮内悠介氏。その宮内氏が新作『アメリカ最後の実験』(新潮社刊)でテーマにしたのは「音楽」だ。単身アメリカに乗り込み、超難関音楽学校の入試に挑む日本人ピアニスト・脩はライバルとなる受験生とその才能を競い合い、選考を勝ち進む。しかし、