前橋育英のキャプテン、石井陽は大一番を前にしても表情がこわばるどころか、心の底から湧き上がるワクワクを抑えきれないとでもいうように、実に楽しげな笑顔で校歌を歌っていた。結果が出た今となってみれば、この笑顔こそが試合の結末を暗示するものだったのかもしれない。「こういう(国立競技場の)ピッチでできる