“青汁王子”から“あしなが王子”へ「若者のみらい応援基金」への思いとは? ――三崎優太・朝倉未来対談「若者のチャレンジを応援したい」

写真拡大 (全9枚)

「青汁王子」として一世を風靡した経営者・三崎優太さんが、“若い人たちのサポートをしたい”という思いから、公益財団法人 公益推進協会の中に基金として創設し、1億円の寄付を通して若者支援を行うことを発表した。その名も「三崎優太 若者のみらい応援基金」。昨年から格闘家・朝倉未来さんと共同で取り組んでいた若き格闘家発掘プロジェクト「朝倉未来1年チャレンジ」の経験を踏まえ、今度は三崎さんの“本業”であるビジネスの分野で若者の支援へ――。いったい、そこにはどんな狙いがあるのだろうか。三崎さんと朝倉さんに、新たな基金設立への思いを聞いた。
【提供】公益財団法人 公益推進協会(https://kosuikyo.com/

「志の高い人がどれくらい周りにいるのか」が重要

三崎さんはどのような経緯で「若者のみらい応援基金」を立ち上げたのでしょうか。
三崎 去年、朝倉さんと一緒に「1年チャレンジ」に取り組みました。僕は格闘技のことはわからないので、いろいろテストをして実際には朝倉さんが審査をしたのですが、それが若い人たちを支援するという最初の経験だったんです。それを通じて、若い人たちに手を差し伸べることは社会的意義のあることだと感じ。そこでスタッフと相談して、今回の基金設立になりました。
朝倉 「1年チャレンジ」は僕から提案させてもらったんです。三崎さんは別に格闘技に興味があるわけでもないと思うんですが、それでも積極的に協力してくれた。嬉しかったですし、三崎さんはほんとうにいい人なんだなあ、と(笑)。
三崎 いやいや、実は格闘技は好きなんですよ。ただ、選手を選んだりすることはできないだけで(笑)。まあ、「1年チャレンジ」の経験は、基金設立の大きなきっかけです。あとは30代になって、これまでは自分のために稼いでお金を使ってきたけれど、これからは人のためにお金を使おうという気持ちもありました。そうすることで自分にも新しい世界が見えるのかなあと。自分がほしいものはある程度もう買ってきたので……。
そこで若い世代の支援に、という発想の転換は誰でもできることではないですよね。
三崎 自分が大変な状況だったときに、若い人たちがSNSですごく応援してくれたんですよ。世間ではものすごい逆風が吹いている中でも、「負けないでください」と……。そのときに、応援してくれる人がいるということを知ったのもありますし、若い人たちの生の声を改めてしっかり受け止めることができたんです。経済的な事情で学校にも行けないような人がいて、そういう人たちも僕を応援してくれていた。だから、今度は自分が応援していく番だな、と。
朝倉 「1年チャレンジ」もそうだったんですけど、実際にお金がなかったり環境に恵まれていなくて、くすぶっている人って多いんですよ。僕もそうで、地方から東京に出てきてようやく結果が出せるようになった。ずっと地方にいるままだったら、ここまでくることは出来なかったと思います。だから、ちょっとしたきっかけをあげたい。そして実力、ポテンシャルを持っている人を見つけて支援することは、とても大事なことだと思います。
三崎 やっぱり地方と東京は全然違うものなんですか?
朝倉 まったく違います。地方だと周りに強い人がいないんですよ。同じ練習を2時間しても、強い人とやるのと弱い人とやるのとではぜんぜん違ってきますから、そこが大きい。勝つ選手は、強い人がたくさんいるジムで揉まれてきているので。それに、いつも弱い人と練習していると自分の客観的な力がわからなくて天狗になってしまうんですよね。それだとそのまま終わってしまう。だから、周りにどういう人がいるのかが重要なんです。志の高い人がどれくらい周りにいるのか。それはビジネスでも同じですよね。
三崎 そうですね。だから僕も今回の基金では僕のいちばん得意な経営という分野で、無料で使えるようなシェアオフィスを提供したりすることでも、人脈づくりをサポートしていきたいと思っているんです。

「あくまでも寄付という形」で、ビジネスを純粋に応援する

ビジネスの支援ですと、出資という方法もあると思います。ですが、今回は基金としていわゆる“寄付”という形態を取っています。それはどうしてなのでしょうか。
三崎 最近、経営サロンのようなものが流行っているじゃないですか。自称経営者がお金をとって、若い人に経営を教えるという。それって、単なるサロンビジネスなんですよね。そういう人たちからビジネスを学んでもなんにもならない。だから、あくまでも寄付という形で支援していきたい。出資という形態も考えたんですが、それだとどうしてもこちらもビジネス視点で考えてしまうので……。「若者のみらい基金」はあくまでも社会貢献ですから、純粋に応援するという気持ちで寄付にさせてもらうことにしました。
朝倉 ビジネスコンテストで入選した人たちとは、金銭的な支援だけでなくて、それから先も関わっていくんですよね?
三崎 もちろんそう思っています。経営の相談とかにも乗りながらやっていこうと。朝倉さんも「1年チャレンジ」で選んだ3人の格闘家たちとは、今も一緒に練習してますもんね。
朝倉 今日も朝2時間殴られてきました(笑)。3人ともすごい強くなってきていて、8月には試合も決まっているんですけどみんな勝つと思いますよ。すべてを捨てて覚悟を決めてやっているのがわかるから、それを見ると自分も負けてられないと思いますし、自分自身の成長にもつながるんですよね。プロジェクトをはじめる前は単に支援するつもりだったんですけど、これはやってみてわかりました。三崎さんも、今回の基金でそういう経験ができると思いますよ。若い人を支援することは、自分も成長させてくれる、と。
どのような人にビジネスコンテストに応募してもらいたいとか、どういうビジネスを応援したいというビジョンはありますか。
三崎 うーん、ビジネスって、どうしても宙ぶらりんの経営をしている人が多いような気がしているんです。なにか明確な出口を目指してやっているというよりは、なんとなく続けているだけ、というか。でも、ビジネスをやるなら出口を考えることが大事。例えば会社を育ててバイアウトするというのもひとつです。そうすれば大きなお金を手にすることができるので、それを元にして今度はまた次の世代の支援をしてくれる、というような循環が生まれたらいいなと思っています。
朝倉 すごいですね。そんなことを考えられるのは……。僕は自分が好きなことをしてきただけなんで(笑)。もちろん稼ぎたいという気持ちも少しはあるけど、むしろ好きなことやってきたらついてきた、という感じなので。
三崎 いや、朝倉さんのほうがスゴいと思います(笑)。まず、格闘技界の中で活躍して結果を残すだけでもスゴいじゃないですか。そのうえで、「1年チャレンジ」とかYouTubeをやってそれでも結果を出して。ただ強いだけでもスゴいのに、その上他のことでも結果を出せるっていうのは誰でもできることじゃないですよ。業界全体のことを考えられるのは、本当に朝倉さんのスゴいところだと思います。
朝倉 業界のことは言っているだけで、まあ本当は自分のことしか考えていないんですけどね(笑)。ただ、本当に価値のある選手というのは集客できる選手だと思っているんです。格闘技を広めることで自分の価値も上がってくる。そう考えて、自分の価値を高めるためにやっているだけ(笑)。三崎さんのビジネスコンテスト、どういうプランだったら目にとまる、みたいなものはありますか?
三崎 ある程度は成功しそうなビジネスを応援したいですよね。勝算があるかないかは話を聞けばわかるので。

「なにか小さなことが、人生を大きく変える」そのきっかけに

さすがですね。その勝算の有無はどのような点でわかるのでしょうか。
三崎 大まかな方向性でいうと、ひとつはマーケットがあるかどうか。もうひとつはそのマーケットの中で競合他社に対してどれだけ優位性を持っているか。そこをどれだけロジカルに考えられているか、ですね。マーケットのない新たなジャンルでもいいんですが、それならばなぜマーケットが出来てくるのかというところにも根拠が必要です。
朝倉 なるほど、三崎さんは競合他社がいる既存マーケットに入って勝負するタイプなんですか?
三崎 そうですね。青汁なんてまさにそうで、巨大なマーケットがもうすでにあるところに入っていって勝負した。そういうことが好きなんですよね。
朝倉 カッコいいですね。僕は真っ向勝負しないタイプなんですよ。相手の弱点を見つけて戦う。格闘家としては、本当は真っ向勝負で戦って勝っていくのが一番カッコいいんですけどね(笑)。
今は新型コロナウイルスの影響もあって、チャレンジするかどうか躊躇している若い人も多いと思います。環境に恵まれずに泣いている人も増えているかもしれませんし、弱気になっている人もいるかもしれません。そうした方たちに向けて、今回の基金に関してメッセージを頂けますでしょうか。
朝倉 僕も基本的にはみんなと変わらないと思いますよ。飽き性だし弱気になることもあるし。コロナで厳しい状況になって、諦めてしまうような人たちとほとんど同じ。ただ、少しだけ違う点があるとすれば、挑戦すると決めて一歩踏み出すかどうか。やると決めたら環境がどうのと言い訳しても仕方がない。やるしかないわけですから。だから、一歩踏み出してみるそのきっかけに、三崎さんの基金を活かしてほしいですね。僕が地方から東京に出てきて人生が変わったように、なにか小さなことが人生を大きく変えることになる。そのきっかけになるのが今回の基金だと思います。
三崎 今のように厳しい社会状況のときは、チャンスだと思うんです。ビジネスにチャレンジする人が少なくなれば、プレイヤーが減るんだから大チャンス。そこで行動するだけで差をつけることができる。「落ち着いたらやろう」ではみんなと一緒ですから、今こそ一歩踏み出してほしい。そして、朝倉さんの言うように人生を変えるきっかけにしてくれれば嬉しいですね。僕も北海道から東京に出てきて大きく変わって今があるわけですし。その一歩の助けになれれば何よりだと思っています。
若者のみらい応援基金
ビジネスコンテストエントリーは、三崎優太公式ホームページより募集をおこなっております。
ホームページはこちら