米テキサス州在住の35歳の女性が3月中旬、自然妊娠で4つ子を出産した。しかも一卵性の4つ子は世界で72例しか報告されておらず、担当医も「私のキャリアの中で最初で最後のケースになるでしょう」と驚いたという。『TODAY』『Metro』などが伝えている。

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米テキサス州ダラス在住のジェニー・マーさん(Jenny Marr、35)は3月15日、地元の病院「テキサス・ヘルス・プレスビティリアン・ホスピタル・ダラス(Texas Health Presbyterian Hospital Dallas)」で一卵性の4つ子を出産した。ジェニーさんは当時妊娠28週半で、分娩は帝王切開で行われた。

夫クリスさんやジェニーさんの母親が見守るなか、まず最初に誕生したのはハリソン君(Harrison)で1077グラム、次がハーディー君(Hardy)で1190グラム、3番目がヘンリー君(Henry)で1097グラム、最後がハドソン君(Hudson)で878グラムだった。分娩にかかった時間は3分で、男児4人はすぐに新生児集中治療室に運ばれた。

ジェニーさんが最初に超音波検査を行ったのは昨年11月12日のことで、その時は医師に「3つ子ですよ」と告げられたそうだ。しかし1週間後に行われた周産期(母体・胎児)専門医の検査で“4つ子”であることが判明し、クリスさんは「1週間で3人が4人に増えたわけですからね。驚いたというよりもショックでしたよ。医師には『今のところ、4人とも元気ですよ』と言われましたが、私は『来週は5人になっているかもしれないから、もう病院には来ないよ』とジョークで返しました」と当時を振り返る。

ジェニーさんを担当したローレン・マリー産婦人科医(Lauren Murray)によると、自然な妊娠で一卵性の4つ子が産まれる確率は約1100万〜1500万分の1で、世界でも72例しか報告されていないという。

ジェニーさんは「家族の中で多胎児は初めてだったの。マリー医師には『こんなことは滅多に起こるものではないから、宝くじでも買ったら?』と言われたほどですよ」と明かしている。さらに珍しいことに、4つ子は1つの胎盤を共有していたため、ジェニーさんは「4人全員に栄養がきちんと行き渡らず、何人かは上手く育たないこともある」と聞かされ、妊娠中はかなり気を揉んだようだ。

初産で4人を妊娠し、不安を抱える中での帝王切開となったジェニーさんだったが、誕生した4人は新生児集中治療室で生後10週までケアを受け、5月初旬には元気に退院している。ジェニーさんは「子供たちのことは“ベイビー・バーズ(baby birds)”と呼んでいるの。だって本当に鳥の赤ちゃんみたいなのよ。今は3時間毎に授乳しているの。1回の授乳は1時間もかかるのよ」と子育てが想像以上に大変であることを明かし、こう続けた。

「困ったことに4人ともそっくりで、誰が誰だか区別がつかないのよ。4人並べて写真を撮ってみたんだけど、夫でさえも間違えてしまうほどよ。」

一方のクリスさんは、こう述べている。

「4人とも少しずつ性格が違うよ。近くで見れば区別はつくけど、遠くから見るとみんな同じに見えるんだ。ただハドソンだけは他の3人よりも身体が小さいから区別がつきやすいかな。」

ジェニーさんは子育てに追われながらも「子供たちは本当に可愛いの。外出規制が緩和されて4人の体重がもう少し増えたら、病院でお世話になったスタッフ一人一人にハグをして感謝の気持ちを伝えようと思っているわ」と笑顔で語っている。

画像は『Metro 2020年5月22日付「Mum gives birth to identical quadruplets, defying one in 15 million odds」(Picture: Marr family)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)