韓国でアフリカ豚コレラの拡大が止まらない。17日の1例目を皮切りに、この1週間、4例の発生が確認された。場所はいずれも京畿道だったが、24日には同道以外で初めてとなる仁川市でアフリカ豚コレラの疑いのある疑似患畜が発見された。同市には、観光客の多くが利用する国際空港もあるだけに、日本にとって一段と警戒が必要な状況になっている。

 京畿道でアフリカ豚コレラの発生が確認されたのは17日、18日、23日、24日。同じ24日には、仁川市で疑似患畜を発見したと、農水省に当たる農林畜産食品部が発表した。

 現地報道によると、仁川市は17日、隣接する京畿道でアフリカ豚コレラが確定したことを受け、全市43の養豚場に対し、予備検査を始めた。23日まで1次検査した16の養豚場は、陰性だった。しかし24日、400頭規模の養豚農家を検査したところ、疑似患畜が見つかった。確定すれば、5例目となる。3キロ以内に他に養豚場はない。

 農林畜産食品部は、移動規制の厳しい重点管理地域に新たに仁川市の2郡を加え、豚の搬出を3週間禁止するとした。重点管理地域は、6市郡から8市郡に増えた。

 現地では、今回の初動対応の遅れが、2010年11月に発生した口蹄(こうてい)疫と類似し、大災害につながるのではないかと危惧する声が上がっている。アフリカ豚コレラに関しては、ワクチンがないことが、不安をさらに増長している。