ふんどし姿の氏子たちが勇壮に麦持ちをつく珍しい「老松様の麦餅つき祭り」が7月15日(月)に大分県日田市の「奥日田」と呼ばれる手つかずの山林エリアにある宮園津江神社で開催される。

【写真を見る】ふんどし姿の男達による豪快な餅つきはまさに圧巻/写真は主催者提供

その始まりは鎌倉時代。三国山のふもとにある鬼戸ヶ獄に凶暴な賊が住んだことがきっかけで、村人達の訴えにより長谷部宗俊が宮園神社に戦勝祈願をし、村々を荒らす賊の討伐に向かい賊の大将を討ちめでたく凱旋。

この戦勝は宮園神社の御加護によるものであると社頭でお祭りをし、先頭の状況を模して餅つきを行ったのが、天福元年7月15日のこと、それから、約780年以上もの間、五穀豊穣、家内安全、無病無災を祈念したお祭りとして続く伝統行事となっている。

この祭事は、当時の凶暴な山賊との激しい戦闘の状況を模した餅つきで、ふんどし姿の氏子たちが樫の木の長い棒を使って勇壮に麦もちを突き上げていく様が凄まじい迫力で、クライマックスの「あばれづき」の豪快さは鳥肌ものだ。

歴史的に気高い伝統行事だが、一般認知がごく少ないこのお祭り。不思議めいた魅惑の世界に観客を引き込むと近年脚光を浴びている「老松様の麦餅つき祭り」に出かけて、時代を超えた息吹を感じてこよう。(東京ウォーカー(全国版)・ウォーカープラス編集部)