王座奪還をかけアジアカップに臨んだものの、決勝でカタールに敗れた日本代表。

今大会は歴史的な大勝となったイラン戦を除いて非常に厳しい戦いを余儀なくされ、特に大会前から危惧された大迫勇也への依存がより顕在化することとなった。

2列目に優れた選手を擁する日本にとって、彼らを生かすプレーはもはやFWの絶対条件。そこで今回は、まだ代表で試されたことのない選手のなかから「大迫の代わりになる可能性を秘めたFW」たちを特集しよう。

鈴木 優磨(鹿島アントラーズ)

1996年4月26日生まれ(22歳) 182cm/75kg

大迫の後を継ぐのは、やはり鹿島で育ったこの男だろうか。

憧れであるクリスティアーノ・ロナウドと同じゴールパフォーマンスで脚光を浴びた若武者は、昨年、小学生の頃から所属する鹿島をアジアの頂点へと導き、大会の最優秀選手にも輝いた。

まだまだ粗削りだが、デビュー当時から大舞台やここ一番での勝負強さは証明済。加えて最近は個人での打開能力にも磨きをかけている。

タイプとしては武藤に近いところがあり、そのまま大迫の代わりを務められるかどうかは疑問だ。しかし、「怖さ」に関しては既に凌駕しているといっても過言ではない。

鎌田 大地(シント=トロイデン)

生年月日:1996年8月5日(22歳) 180cm/72kg

鈴木優磨とは友人であり、最大のライバルでもある鎌田。

サガン鳥栖で頭角を現し一昨年の夏にドイツへ移籍したものの失望の日々に。しかし今季ベルギーで結果を残し、一躍、日本代表の有力な候補となっている。

ゴール前の落ち着きは素晴らしく、単純な決定力の面では世代どころか日本でも最上位といっていいほど。ただ、鳥栖時代は中田英寿の再来といわれる攻撃的MFであり、ゴールを量産する現在も「ポグバのポジション(8番)が理想」といって譲らない。

しかし本人の希望と適正は必ずしも合致するものではない。彼の得点力や身体のサイズ、足元の技術は、「大迫になる」可能性を大いに秘めているのではないだろうか。

久保 裕也(ニュルンベルク)

先日、「日本代表、コパ・アメリカまでに絶対に試すべき5名」でも特集したが、改めて取り上げたい。

久保と大迫は、Jリーグ時代にはストライカーでありながら海外ではサイドなど1.5列目で(も)起用されているという共通点がある。

これは日本サッカー界の育成の賜物であり欠点でもあるのだが、彼らは何か一つ突出した武器を持つわけではないものの、何でもできる高水準のオールラウンダーなFWであることを示している。

大迫に比べると高さという面では劣る。しかし最前線と1.5列目全てのポジションができる久保がチームにいれば、今回のアジアカップもやり繰りが楽になっていたのではないだろうか。

小川 航基(ジュビロ磐田)

1997年8月8日生まれ(21歳) 186cm/78kg

神奈川の名門・桐光学園時代に「高校ナンバー1」と呼ばれたストライカー。磐田ではクラブの元エースFW前田遼一(現FC岐阜)が背負っていた「18番」を与えられている。

彼は東京五輪の有力なエース候補だが、一昨年のU-20ワールドカップ大会中に左膝前十字靭帯断裂および半月板損傷という重傷を負って以降は苦しんでいる。

プロ2年目にルヴァンカップで4得点を記録したものの、昨年の公式戦での得点はわずかに3ゴール。そのうち2つはPKによるものだった。

しかし186cmの長身にしては俊敏で技術面にも優れ、相手を背負った際の足元の収まりも優秀だ。タイプとしては国内で最も大迫に近く、1トップでの起用に応えられる逸材だろう。

パトリック(サンフレッチェ広島)

生年月日:1987年10月26日(31歳) 189cm/82kg

カタールがアルマエズなら日本は…ということで最後は意外なところから。

2013年以来、川崎、甲府、G大阪、広島の4クラブでプレーしているパトリック。彼はブラジル人だが日本がすっかりお気に入りになっているようで、帰化申請し日本代表入りを望んでいることを公言している。

巨漢でありながら跳躍力は凄まじく、何度もスプリントを続ける走力と忍耐力もある。昨年、広島が首位を独走した際には「戦術パトリック」と揶揄されたほどで20ゴールを記録した。

足元の技術にやや難があり、大迫の代わりになるのは難しい…というよりも彼が入ると全く別なチームになってしまうであろうが、一つの可能性として紹介しておきたい。