痩せ志向の強い日本では考えられませんが、世界には太っていることが富や美の象徴とされ、モテ要素となっている国が多数あります。痩せたいけど食べたいというジレンマと日々戦っている身としては、なんだか羨ましい気もするけれど......。

サニーヘルスが「肥満の女性を褒め称える国」をまとめたランキングを発表しました。ぽっちゃりなほどモテる国トップ10とそこに住む女性の姿をご紹介します。

太るためにピル市場が急成長の国

まずは10位から。南太平洋の小さな島であるトンガでは、体のサイズが大きいことが美しいとされています。国民の9割近くがBMI25以上の過体重だそうですから驚きです。ちなみに、日本の基準では、見た目に美しいと思われる「美容体重」は160センチの女性だと48キロ程度。BMI18.75です。

9位はクウェート。昔から、砂漠の遊牧民の人々が太っていることは健康と富の象徴だと考えられていました。また、女性は大きいほど魅力的とされています。クウェートの成人女性の約80%が過体重で、主な死因は心臓、血管の疾患とのこと。怖いですね。

8位は南太平洋のフィジーです。胴回りが太っている女性は健康と富の象徴として、長い間尊敬されてきました。

7位はジャマイカ。成人女性の約70%が過体重です。お尻や下半身が特にふくよかであることが重要とされており、女性の体型は医学的に適切なサイズの約2倍が理想的だとされています。さらに、もっと体重を増やしたいと望む女性を対象とした、ピル市場も急成長しているとか。そこまでしてふくよかになりたいなんて......。

丸顔の太った顔が美人

6位はサモアです。サモアの場合、肥満が美の基準というよりは、太っていることが普通だから受け入れられているだけ、ということです。もともと脂肪細胞に余計なカロリーをため込む遺伝子のそうですが、第二次世界大戦後、加工食品を食べるようになってから更に増加傾向にあるようです。

5位の南アフリカでは、体重が減ることと病気を関連して考えるので、痩せていることにネガティブな見方をしています。体の大きな女性は健康状態、経済状態の両方が良いと考えてられているそうです。

4位にランクインしたアフガニスタンでは、何世紀にも渡りふっくらとした女性が大事にされてきました。砂漠の過酷な環境で遊牧してきたため、ふくよかな方が子宝に恵まれると考えられているようです。体のほとんどをブルカ(イスラム教のベール)で覆うので、女性の体型は外見からはよく分かりませんが、丸みのある太った顔が好まれています。

出産後、体型が戻ると離婚の危機に

3位のタヒチでは、ふくよかなことが女性の美しさと考えられており、「ハーポリ」という習慣があり、体に脂肪が付いているかという族長の検査があるそうです。現在でも肥満が称賛され、炭水化物やココナッツミルクなど、高エネルギーの食品が好まれます。

2位は南太平洋の小さな島国、ナウル。この国の人々は体が豊満であることを美や子宝に結びつけ、女性は出産に備えて太らされます。妊娠中の体重増を厳しく管理される日本とは正反対ですね。

島の大部分をリン鉱床が占めており、大規模な農業が禁止されているので、健康的な生鮮食品は輸入頼りです。でも、それではコストがかかるので、安くて脂肪の多い食品がニュージーランドやオーストラリアから持ち込まれているそうです。

1位は西アフリカのモーリタニアです。干ばつに苦しむこの砂漠の国では、女性の肥満は美しさと富の象徴で、若い女性の中には、高脂肪のラクダのミルクを毎日飲んでいる人もいるとか。

体重を増やせない女性は、食欲増進のために日常的に抗ヒスタミン剤とステロイドを服用することもあるそうです。出産後は、太い胴回りを維持できずに離婚されてしまう女性もけっこういるのだとか。

いずれも「太っていることが裕福の象徴=美」とされています。ふくよかな女性を褒め称えるのは文化ですが、太りすぎは病気のリスクも高めてしまいます。女性の美の追求、なかなか難しいですね。