大阪で道頓堀始まって以来の仰天企画として注目されていた道頓堀のプール化計画の中止が1月29日、運営準備会社から正式発表された。

 『道頓堀プール』は、大阪府市特別顧問の堺屋太一氏がブチ上げ、橋下徹大阪市長も一押しのアイデアだった。ミナミの名所・道頓堀川に全長800メートルの布製特設プールを敷設し、プールサイドにも高級感溢れる演出を施して、リゾート感覚を作り出すのが狙いだった。
 「しかし、総額約30億円の資金集めが難航。運営会社の構成や遊覧船の会社との折り合いもつかず、規模を80メートルに縮小し実現を目指していたものの、新たな展開には至らないまま中止が決まったのです」(社会部記者)

 完成すれば、今年の道頓堀開削400年記念の目玉になるはずだった『道頓堀プール』。しかし、地元では意外と冷静な声が多い。
 「道頓堀を元気にするというけれど、何もそんな突飛なことをせんでも外国人が増えて元気になっとるがな。そっちとの連携をまじめに考えた方が街としてはプラスになるんや」(地元の飲食店主)

 あまり協力的とは思えない地元の姿勢を、地元記者がこう説明する。
 「コトの本質は、開削400年で動くカネを巡るイベント会社やプロデューサーが入り乱れての足の引っ張り合い。プールの計画はなくなりましたが、そのうちそれに代わる計画が出て、また同じようなことになるでしょうね」

 さらに、今年1月に起きた道頓堀での韓国人観光客の水死事件や、事ある度のダイブ騒ぎも盛り上がりの無さを引き起こしているという。「大阪を盛り上げよう!」は結構だが、問題はその方法にあるようだ。