ヘルプストマイスター(=秋の王者。前半戦終了時点の首位チーム)の座を射止めたのは、4シーズン連続でバイエルン。3連覇をめざす絶対王者は、チアゴ・アルカンタラやハビ・マルティネスら主力に怪我人が相次ぐアクシデントに見舞われながら、無敗の快進撃を続けた。
 
 シーズンの折り返し地点での首位と2位の勝点差は、史上最大の11。開幕前は優勝候補の一角と目されたドルトムントが17位に低迷している事情もあり、覇権レースの決着に向けたカウントダウンはすでに始まったと言えるだろう。
 
 個人に目を向けても、充実が際立っていたのはバイエルン勢だ。ドイツの老舗スポーツ誌『キッカー』による平均採点の上位10傑に目を向けてみよう(ランキングの対象は9試合以上で採点が付いた選手。1が最高で、6が最低評価)。
 
1位 アリエン・ロッベン(バイエルン/MF) 2.04
2位 ラルフ・フェーアマン(シャルケ/GK) 2.47
3位 ジェローム・ボアテング(バイエルン/DF) 2.54
4位 フェリックス・ヴィードバルド(フランクフルト/GK) 2.61
5位 カリム・ベララビ(レバークーゼン/MF) 2.68
5位 ケビン・デ・ブルイネ(ヴォルフスブルク/MF) 2.68
7位 マルティン・シュトランツル(ボルシアMG/DF) 2.73
8位 ロマン・ビュルキ(フライブルク/GK) 2.74
9位 シャビ・アロンソ(バイエルン/MF) 2.77
10位 ゴンサロ・カストロ(レバークーゼン/MF) 2.78
 
 10人中7人がフィールドプレーヤーで、トップはロッベン。ブラジルW杯で母国オランダを3位に導いた快足アタッカーは、バイエルンで迎えた6年目のシーズンも好調を維持しつづけ、幾度となく巨大な違いを作り出している。
 
 GKや得点者が高く評価される傾向が強いキッカー誌の採点で、異彩を放っているのは3位ボアテング。17試合で4失点の鉄壁を誇るバイエルンのDFリーダーとして獅子奮迅の働きを見せ、いまや世界最高峰のCBと激賞される存在となった。
 
 前半戦のMVPとの呼び声が高い同僚のシャビ・アロンソとともに、独走態勢に入ったバイエルンの大きな原動力だった。
 一方、ブンデスリーガ史上最多となる13人が前半戦のピッチに立った日本人プレーヤーのランキングは以下のとおり。
 
39位 内田篤人(シャルケ/DF) 3.15
73位 岡崎慎司(マインツ/FW) 3.34
129位 乾 貴士(フランクフルト/MF) 3.64
130位 長谷部 誠(フランクフルト/MF) 3.65
153位 香川真司(ドルトムント/MF) 3.77
172位 清武弘嗣(ハノーファー/MF) 3.85
183位 酒井宏樹(ハノーファー/DF) 3.91
198位 細貝 萌(ヘルタ・ベルリン/MF) 4.07
200位 酒井高徳(シュツットガルト/DF) 4.13
― 大迫勇也(ケルン/FW) 4.00
― 原口元気(ヘルタ・ベルリン/MF) 4.08
― 長澤和輝(ケルン/MF) 採点なし
― 丸岡 満(ドルトムント/MF) 採点なし
※大迫、原口は採点が付いた試合が少なく、ランキングの選外。
 
 トップの内田は全体の39位に留まっているものの、SBを主戦場としていた選手の中では堂々の1位。不安定だったシャルケのDF陣にあって、攻守両面におけるパフォーマンスの波がきわめて小さく、イェンス・ケラー前監督に続き、ロベルト・ディ・マッテオ現監督からも重宝されている。
 
 90分を通してフルスプリントできる驚異のスタミナや献身性に加え、高精度のクロスやフィード、水際での身体を張った守備も特筆に値。ちなみに過去の平均採点は、参戦1年目の10-11シーズンから順に3.71→3.71→3.74→3.91と推移しており、その安定した働きぶりは数字にもしっかりと表われている。