[画像] あなたのスマホはのぞかれている?意外な盲点とのぞき見防止の対策

スマートフォンは、個人情報の倉庫みたいなものだ。あなたの氏名や、住所、電話番号、クレジットカード情報、メールアドレスが保存されているだけでなく、友人や知人の名前、電話番号、メールアドレス、写真まで、あなたに関連する個人情報が詰まっている。その個人情報を、知らない誰かにのぞかれたくないというのは、誰もが思うことだろう。

今年(2014年)4月に、元交際相手のスマートフォンに「紛失・盗難対策用アプリ」を使って悪用した容疑で男性が逮捕されるとう事件がおきた。IPAからも紛失・盗難対策用アプリの悪用に注意を促すアナウンスが発表されている。
「紛失・盗難対策用アプリを悪用」、スマホがのぞき見可能に……IPAが解説

今回の「紛失・盗難対策用アプリを悪用」は、アプリをスマートフォンにインストールすることで、他のパソコンなどから遠隔操作や、位置情報所得、画面のロック、データ削除、周囲の音声録音、写真撮影のなどの機能を「スパイアプリ」として悪用するというものだ。

●アプリを悪用した「のぞき見」からスマートフォンを守る方法
「自分はスマホが苦手だから」と、知り合いなど他人に設定をお願いしている人は特に注意しておいた方が良いだろう。ひょっとするとあなたの日常生活が監視されてしまうかもしれないからだ。対策としては、以下のことに注意が必要だ。
・スマートフォンを他人に操作させない
・スマートフォンには画面ロックをかけておく
・画面ロック解除やパスワードの入力は他人に見せない
・アプリをインストールしてもらう際は、アプリの機能や用途などを確認する
・Google IDやApple IDは他人に教えたり、入力させたりしない

つまり、他人には不用意にスマートフォンを触らせなければ、このような被害も未然に防ぐことができる。


不用意に他人にスマートフォンを触らせるのは危険な行為だ


しかし、スマートフォンののぞき見は、紛失・盗難対策用アプリを使ったものだけでない。日常の生活の中でも、のぞき見被害の危険は確実に広がっているのだ。

その要因のひとつが、スマートフォンの液晶ディスプレイの大型化と歩きスマホなどの「ながら利用」だ。ディスプレイが大型化したことで、スマートフォンの画面は周囲の人からのぞかれやすくなっている。それに加えて、周りに人が大勢いる外出先でのスマートフォン利用で、スマートフォンの画面はのぞき見されやすくなっている。もしかしたら、あなたが通勤電車の中やカフェで使っているスマートフォンの画面は、後ろの人や横の人にのぞき見されているかもしれないのだ。

●のぞかれていることに意外と気がつかない盲点?
日常での、のぞき見の危険は、直接画面を見られたり、こっそりスマートフォンを見られたりすることだ。

しかし、スマートフォンの液晶パネルには、視野角がある。左右や上下など一定の角度を超えると画面が見えづらくなる。しかし、そこには盲点がある。それが背後で、後からは、画面がバッチリ見えてしまうのだ。特に大型ディスプレイを搭載している機種では、少し離れていても画面が見やすいため注意が必要だ。

外出先でスマートフォンを使う場合、壁を背にするなど背後に人がいないことを確認して使うことが望ましい。とはいえ、そうそう都合のよい位置で使えない場合も多い。そうした時は、自分の体でスマートフォンを隠すように少し低く持つなどの配慮も心がけよう。


隠しながらスマホを持つだけでものぞき見防止になる


★ワンポイント 緊急時に役立つ画面の輝度を落とすワザ
とっさにのぞき見を防止したい場合、画面輝度の明るさを暗くするのは効果的な方法だ。少し画面が暗くなるだけでも、離れた人からは画面は見えづらくなるからだ。

★ワンポイント 画面ロックの落とし穴
画面ロックはもっとも簡単で効果的にスマートフォンの中身を他人にみられないようにする対策だ。しかし、ロック解除の操作をのぞかれては、簡単にロックパターンを盗まれてしまう。
人前や多数の人がいる状況では、画面を手前に傾けるなど、直接ロック解除を他人に見せない配慮も心がけよう。

●アプリやペールビュー機能でののぞき見防止
このほか、のぞき見防止には、アプリやシャープ製スマートフォンなどに搭載されているペールビュー機能がある。こちらは、液晶表示を左右上下から見えにくくする機能で、使うシーンにあわせてオン/オフができるのがメリットだ。ペールビュー機能がスマートフォンに搭載されていない場合は、Google Playからアプリをインストールすることで利用できる。


スクリーンのぞき見防止フィルター(プライバシービューガード)


「スクリーンのぞき見防止フィルター(プライバシービューガード)」は、画面を「白」「黒」どちらかのカラーで見えにくくするフィルターと、用意してあるデザインから画面にフィルターをかけて見難くすることができる。視認性の強弱も調整できるので、好みのフィルター効果が設定できる。ただし、こうしたアプリは、どの角度からも絶対に見えないというわけではなく、あくまで画面を見にくくするというものであるので過信は禁物だ。


スマートフォンはとても便利な道具である反面、個人情報を人に知られるリスクも多い。
また、一般に名前やクレジットカード情報、パスワードなどだけが個人情報と思われがちだが、SNSを利用している画面や表示情報なども、自分を特定できる「個人情報」であることを認識しておこう。

のぞき見で被害を受けるのは、あなたの情報だけではない。大切な友達や家族の個人情報も危機にさらされていることに注意してスマートフォンを利用して欲しい。

スクリーンのぞき見防止フィルター(プライバシービューガード)


甲斐寿憲