この季節、ときどき耳にするのは上京して数カ月の地方出身者の発言、「東京の人は冷たい」という言葉。ただ、そんなイメージが際立っているからこそ、“都会のやさしさ”に敏感になるということも。地方出身者に「東京の人ってやさしいと思った瞬間」について聞いてみました。
■道案内してくれた
「道に迷ってしまい、携帯の地図を見てオロオロしていたら、同い年くらいの女性がわざわざ話しかけてくれ、目的地まで案内してくれました。『このまま勧誘でもされたらどうしよう』とずっと疑っていたのが申し訳なかった」(29歳女性/小売)
ちなみに「道を聞こうと話しかけた人に無視された直後のことだった」とか。冷たくされたあとだと、余計に温かく感じそうですね。
■男子学生を乗客が介抱していた
「終電間際の電車に乗ったら、車両の端のほうになにやら人だかりが。見てみると、具合が悪くなった男子学生を近くにいた人たち5、6人で介抱していたようです。学生が駅で降りるときも、『大丈夫? ついていこうか?』と気遣っていました。東京に来ていちばん心温まった瞬間だったかも。この光景を見て、自分ももっと人にやさしくしなくてはと思った」(28歳女性/サービス)
都会では「他人に干渉しない」のが暗黙の了解になっている場合もありますが、こういう助け合い精神はマナー以上に大切ですよね。
■ぶつかられたけど、引き返して謝ってくれた
「通勤ラッシュの時間帯のこと。改札を出たあたりで男性が勢いよくぶつかってきました。あまりの衝撃に『これだから東京は……!』とイラッとしたんですが、しばらくしてその男性が戻ってきて、『さっきはすみません! 痛かったですよね?』と声をかけてくれたのです。なんでも、謝りたかったけれど、人に揉まれてなかなか引き返せなかったとか」(29歳女性/医療)
そうまでして謝ってくれるなんて、ていねいすぎてこちらが申し訳なく思ってしまいそうです! 失礼があっても、その後の対応で印象は大きく変わりますよね。
■空き巣被害後、近所の人たちが助けてくれた
「上京してすぐ、空き巣被害にあいました。あまりのショックに外に出られなくなってしまったんですが、そんな私をご近所の人たちが助けてくれました。毎日のように家に来ては、『怖かったよねえ』となぐさめてくれたり、食事やケーキを差し入れてくれたり……。あまりのやさしさに、東京に来て10年経つ今でも引っ越せないままです(笑)」(28歳女性/出版)
空き巣被害という恐怖を経て得た、温かなご近所付き合い。そのためか、この回答者は「以来、東京人が冷たいなんて一度も思ったことがない」とのこと。
■優先席のルールを守っている
「東京では、乗り物の優先席がきちんと機能している気がします。お年寄りが乗ってきたら自然と席を譲っている光景をよく目にするので。こういうのって、地方のほうが守れていないように思う」(30歳男性/IT)
人が多い東京では、みんながルールやマナーを守らないと破綻してしまうことも多数。ルールを守るうちに、自然とやさしさも身につくのかもしれませんね。
すっかり定着している「東京=冷たい」というイメージですが、それを払拭してしまうほど、やさしさがあふれているエピソードが集まりました。みなさんは、東京に住んでいる人を“冷たい”と思いますか? “温かい”と思いますか?
(佐藤真由+プレスラボ)
外部リンクマイナビウーマン