アメリカでは患者の高額医療費が社会問題となっていますが、では医者は儲かって幸せなのかというと、彼らもまた苦しんでいる現状が浮き彫りになっています。
(参照:「もうこんな国いやだ…」アメリカで請求された恐ろしく高額な医療費14例)

医者も患者も不幸だという、ゆがんだアメリカの現状に対する、海外掲示板の反応をご紹介します。

 

The Daily Beast紙によると、医者は鬱による自殺率が高く、また医者という職業に就くことを10人中9人が勧めていないとのことです。

さらに可能なら医者を辞めたいと思っていながらも、膨れ上がった学生ローンの返済のために他の選択がないのが現状だそうです。

また、アメリカの保険制度により医者は患者を増やさなくてはならず、その結果1人当たりの診断時間が短くなり、そのことで医師も患者も満足できずにいます。

複雑な保険システムにより、ほとんどの医師はノーという権限が与えられていないことから、仕事への情熱を失っていくケースも少なくないようです。

この現実に対し、医師も含め多くの人がコメントを寄せていました。

●想像してほしい。やっとの思いで到着した目的地が、すごくイヤでしかたがないことを。しかも巨額のローンが反面鏡で映し出されているんだ。

↑私の担当医は選択権を与えられたら、二度と医学の道には行かないと打ち明けてくれた。一生学生ローンの返済をしていかないといけないそうで、それから逃れる別の方法は死ぬしかないとも言っていた。

↑一緒に働いている麻酔技師が告白してくれたのだけど、彼女の学生ローンは50万ドル(約5000万円)近くあると言ってた。だから彼女はいつも残業して患者が多いんだなと思った。

↑麻酔技師は給与が高いことで知られる職業でもある。10年もすれば彼女は大丈夫さ。

↑むしろそれだからこそ、実は働く職場を見つけにくい。

●医者だが、記事を読んですべての点に同意せざるを得ない。患者の要求をほぼ無条件に聞かなければいけないのは事実で、この問題はひどくなる一方だと思う。医者にノーという権限を与えられていないことはつまり、患者は医師と会うのではなく、患者は人質を取ることを意味する。

●自分はNHS(イギリス)の医師だが、とても大変な仕事で長時間労働の上に、常に無料で奉仕しないといけない部分もある。
他にも患者がいることを理解しない患者から怒鳴られることも多く、アルコールやらヘロインやらの禁断症状なども私のせいだと思われることも多い。他の心臓発作の患者のところに行かなければならないことで怒鳴られたこともあった。給料は学校の先生より少し多いくらいのものだ。
でもこのコメントを書きながら自分はスマイルになっている。なぜなら上に書いたことが全部本当でも、毎日家に帰ると笑顔で「ああ、この仕事が好きだ」と思えるからだ。
もし僕に支援者やスポンサーがいて、日々の生活費とちょっとした贅沢(時々の葉巻やお持ち帰りのピザなど)を面倒みてくれるなら、仕事を無賃で奉仕してもいいと思っているよ。
NHSで働いているということは僕の誇りでもある。自分に向いていると思っているし、人の命を救えるだけでなく、患者の状態をよくする手助けも出来る。人々の良いときと悪いときを見ることができて、患者はその瞬間を僕と共有してくれる。そういった特権の感覚を僕は失っていない。自分も医学も完璧ではないので、毎日が学習で向上させていくことができ、退屈になるということもない。一緒に働く人々も才能があって貢献できる人ばかりなんだ。
もちろん日常的にイヤな奴(患者でも同僚でも)を扱わなくてはいけないことは否定できない。でも、よく若い医師たちが言い合っているように、「トイレに行く時間がないが、そもそも最初に飲む時間もない」ので問題ないんだ。
実際に関係があるのは、「自分に価値があるか」ということだけど自分にはある。全員が医師になるわけではないし、それも感謝しているよ。自分がそんな風に考えていることを幾人かに知ってほしいと思うので書いてみた。僕は医者で、それはとにかくすばらしいと思っているよ。

●長く医者をやっている。多くのコメントが長時間勤務や高額借金のことだが、本当にみじめな気分になることは、記事に美しく書かれていたように悪夢のようなペーパーワークだ。それも保険のための。終わりのない雪崩のようにやってきて、医師を完全燃焼させてしまう。全員が給料と引き換えに自由時間を求めているのは、もう疑いもない。

●医療勤務する友人がたくさんいるが、聞いていて一番ひどいと思うのは、とにかく不眠だってこと。医者はほぼ24時間シフトで仮眠を許可されている。私たちは飛行機のパイロットにしっかり休息を取ってもらいたい、管制塔の人間にしっかり休息をとってもらいたいと思っている。
それなら心臓の移植手術をしたり、出産を手伝う医師にも、しっかりと休息を取ってもらいたい。ほとんどの人が、手術室のカーテンの裏で何が起こっているかを見たら、恐ろしく思うに違いない。

●弁護士だが、記事にあるような医師の苦情を自分の友人や身内も含めてよく聞く。そのとき僕は静かにうなずいて、財布から自分の弁護士の免許状を出す。そして裏をめくって見せる。そこには弁護士免許に関する情報ではなく、太字で薬物乱用や自殺ホットラインの番号かいくつか載っている。

↑自分も最初弁護士の記事かと思った。人に弁護士になるように勧める弁護士を知らないしね。

●医師はミスをするとすぐに免許はく奪だ。訴訟も心配しないといけない。15年もかけて借金を背負ってなれたとしても、人から感謝されてないと感じることが容易に理解できるよ。

●婚約者が実習3年目で、10年付き合っているのでずっと見てきたよ。とにかく試験に次ぐ試験ばかりだった。しかも1つの試験が1000ドル(約10万円)くらいかかって、時々テストを受けるために飛行機代がいるほどだ。
仕事のローテーションも週に80時間ほど働いたり、医師になるまでに通り抜けないといけない障害物がすごいんだ。それでも彼女は幸運で、費用は全て両親が出してくれていた。普通の人はみんな20〜40万ドル(2000〜4000万円)ほどかかるので簡単な職ではない。なるためには極端な貢献、融通、忍耐、知能、そして経済力が必要だ。


日本でも医師になるのは大変ではありますが、アメリカでは相当厳しい境遇のようです。

医師も患者も満足できないというのは、やはりどこかゆがんでいるのかもしれません。

How Being a Doctor Became the Most Miserable Profession: Nine of 10 doctors discourage others from joining the profession, and 300 physicians commit suicide every year.

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