3月21日と22日の2日間、東京・国立競技場でL'Arc〜en〜Ciel(以下、ラルク)のライヴが開催された。ラルクが同競技場でライヴを行うのは2度目。国内でのライヴ自体およそ2年ぶりということで、2日間で16万人を動員する大規模なライヴとなった。そんななか、同ライヴで行われた"演出"が話題になっている。

今回のライヴでは、来場者全員に「L'edバンド」という光るLEDリストバンドと、「L'ポンチョ」と名付けられた白い(もしくは薄い水色の)ポンチョが配られた。

まず「L'edバンド」だが、これは何色にも光り、その色や光るタイミング、そして光の強弱は演出側が決められるというもの。あらかじめ座席に置いてあり、事前から公式サイトでは、「座席ごとに配列が決まっていますので、他の席の物を使用する、移動させるなどの行為はご遠慮下さい」とアナウンスされていた。

この「L'edバンド」が可能にしたのは、観客自体が光演出の一部になるということだ。それ自体は、アイドルコンサート等でも使われる"サイリウム"で日々行われていることだが、「L'edバンド」の場合、前述の通りその光り方は演出側が設定するため、サビに入ると色が変わったり、ブロックごとに違う色に光ったり、光のウェーブを起こしたり、マスゲームのような人文字が出来たりといったことが可能になる。観客が自発的に持つサイリウムと違い、まさに自由自在な光の演出が行われたのだ。

ネット上では現在、音楽情報サイト「WHAT'S IN? WEB」に掲載された、この光演出とライヴ途中に打ち上げられた花火がちょうど絶妙なタイミングでマッチした写真が拡散し、「まるでオリンピックの開会式みたい」と話題を集めている。これまでのオリンピック開会式の写真と比較する画像ツイートも拡散している状況だ。

そして、「L'ポンチョ」。こちらは、観客全員に色を反射する服を着せたことにより、観客を使っての"プロジェクションマッピング"を可能にした。「L'edバンド」と併せ、観客ひとりひとりがまさに演出に不可欠な存在になったというわけである。

ボーカルのhydeは、ライヴ中のMCでこの演出について説明するなかで、「凄いきれいだよね。みんながこの演出を作っていて、ひとりでも欠けたらそこに穴が開いちゃう。協力してくれてありがとう」といったことを話し、「ただ、この演出のせいで若干チケット代が高くなっております」と明かして会場を笑わせていた。

しかし、1万円というチケット代でも、演出の"担い手"として光を掲げて盛り上がることができた観客たちにとっては、その値段は十分元を取れる価格だったのではないだろうか。

【参照リンク】
・『L'Arc〜en〜Ciel』公式サイト