JRAが、馬券ごとの払い戻し率の変更を発表した。人気の3連単が下がる一方、馬連やワイドがアップ。的中しやすい馬券だけに配当妙味こそわずかかもしれないが、馬券戦略の転機になる出来事だ。そこで変更後にがっぽり儲けられる騎手を探ると、名手・武豊の名前が浮上した!

 競馬法の一部改正に伴う勝馬投票法ごとの払い戻し率の設定変更。すでに発表していた大井競馬は3連複と3連単が72.5%に下がり、馬複(馬連)とワイドがほぼ据え置きの75%、単勝と複勝が80%だった。

 注目のJRAは、現行水準(平均74.90%)を上回る75.02〜75.15%に設定。中でも目玉は3%以上も増え、77.5%になる馬連とワイドだろう。

 日刊スポーツ東京本紙担当の高木一成記者が解説する。

「JRAは『当たりやすい』馬券の払い戻し率を上げることでファンに的中する喜び、楽しさをより知ってもらい、ファンの定着化につなげたいという考えです。今、実施している最終馬連の払い戻しの上乗せも(馬連の)売り上げの5%相当額と、ごくわずかな配当額アップのように見えますが、毎週のように馬券を買い続ける自分とすれば、知らず知らずに大きな差になっているはず。なので、6月7日の適用から馬連中心にしようかと思ってます」

 週末が楽しみという馬券オヤジも思案のしどころだろう。馬連を見ると、現行の払い戻し率74.06%から77.5%にアップし、さらに宝塚記念(6月29日)や七夕賞(7月13日)など、JRA60周年記念関連レースの馬連は、売り上げの5%上乗せ分もプラスとなる。

 伊吹雅也氏は、こう話す。

「払い戻し率がアップすることで、今後は馬連への関心度がグーンと上がるはずです。馬連なら連対率、ワイドなら複勝率を強く意識できるかがポイントになるでしょうね」

 その参考として、名手・武豊(45)の競馬場、そして芝とダート別の騎手成績を例にあげてくれた。

「夏の小倉遠征が多いだけにローカルでもいい数字ですが、中でも芝の連対率が際立っています」

 実は、昨年の武豊は得意の小倉だけでなく、函館でも神がかり的な数字を残していた。「WESTSIDE TOKYO」(FM・FUJI)で人気のスポーツデータ分析の専門家・加藤正樹氏が振り返る。

「昨年の函館の芝成績が10戦して〈6112〉でした。1番人気が多いと思われるかもしれませんが、1回もない。そのうえ新馬戦から未勝利、条件戦、重賞と勝ちまくり。初戦が7番人気で1着、ラストはお手馬の2番人気トウケイへイローで札幌記念(函館競馬場で施行)を快勝しました。ただ、ダートは〈0003〉と不振でした」

 今年の函館開催は、新払い戻し率に変更された翌週からなので、「芝で武豊狙い」と、覚えておきたい。