“お兄さん”が“おじさん”になれば、大衆はまた違う“お兄さん”を求め始める。さらに時間が経てば、また違う“弟”や“妹”を求め始めたりもする。悲しいけれども冷静な、アイドル市場の摂理である。このようにアイドルグループは、彼らなりの世代交代を繰り返しながら約20年もの間、10代の市場を制覇してきた。第3世代のアイドルたちが音楽界に続々と登場している今、彼らを誕生させた先祖格の第1、第2世代のアイドルグループを振り返ってみよう。

「K-POP」が韓流のもう一つの名前として命名された中、韓国音楽界でもやはりアイドルの勢いが強くなっている。一日おきに一チームが作られるという、アイドルの洪水時代であるためだ。しかし、そこで生き残ることさえできれば大衆から絶対的な支持を受け、“ホットルーキー”として定着することができるため、今日も音楽界は依然としてアイドル探しに、またアイドルになるために動いている。

韓国音楽界の3大事務所であるSMエンターテインメント、YGエンターテインメント、JYPエンターテインメントもやはり、王座を引き継ぐルーキーづくりに余念がない。そして、変わらず東方神起、少女時代、BIGBANG、2PM、2NE1、Wonder Girlsなどその名も轟くアイドルグループを制作した3社もまた、野心に満ちた刀を準備している。SMエンターテインメントのEXO、JYPエンターテインメントのGOT7、YGエンターテインメントのWINNERがその中核だ。

JYPのGOT7 ― 歌、バラエティ、演技までマルチな才能

JYPエンターテインメント(以下JYP)ではgod以降の2008年、アクロバティックをしながら登場した2PMは、同年代の男子のような親近感とストレートな魅力で一気に大衆を惹きつけた。Wonder Girlsは耳に馴染むレトロコンセプトで一気に国民の妹となった。miss A スジもやはり、音楽、演技、バラエティを行き来するマルチな活躍で認知度と人気を同時に手にした。最近デビューした第3世代アイドルGOT7もやはり、スタートが爽快だ。どこに飛ぶかわからない魅力に、既に多くの人が魅了されている。

最後のカウンターパンチ、GOT7

JYPが6年ぶりに輩出するボーイズグループで、事務所初のヒップホップグループ。GOT7に対する説明は、これだけで十分だ。水面上に上がってきて間もなくデビューしたが、実は彼らはおよそ3年ほど練習生生活を送りながら実力を練磨してきた、いわば“能力者”たちなのだ。

JJ Projectとしてデビューし、既に実力を認められているJBとJr.を皮切りに、香港の国家代表フェンシング選手だったジャクソン、マーシャルアートトリック(武術の要素を盛り込んだ動作をベースにした派手な技術で、キックやターニングなどの武術的要素にブレイクダンスのスタイルを取り入れたジャンル)の高段者マーク、ベムベム、ストリートダンスが得意なユギョム、リードボーカルのヨンジェまで、彼ら7人はどこに出しても足りないところのない組み合わせであり、デビュー当初から大きな反響を引き起こすことに成功した。ミニアルバムのタイトル曲「Girls Girls Girls」は、リリースと同時に音楽配信ランキングで好成績をあげた。ダンスに武術を組み合わせたマーシャルアートトリックを全面に出し、新人グループの中で断然際立つパフォーマンスを見せつけたのはもちろん、最近は米ビルボードのワールドアルバムランキング1位まで記録し、完璧なアウトプットまで誇っている。4ヶ国のメンバーで構成されただけに、アジア進出も既に視野に入れている状態だ。WINNERのライバル、かつEXOの対抗馬として挙げられる昨今の状況が、決して大げさではなくなったのだ。

彼らの成長がさらに期待されるのは、ストレートなJYP出身アーティストの特性がそのまま滲み出ているからだ。現在JYPのYouTubeチャンネルで放送中の「REAL GOT7」でも、わんぱくなGOT7の魅力がそのまま表れている。先日2PMがリアリティバラエティで独歩的なワントップ大勢を構築した前例があるように、GOT7もやはりデビュー直後にリアリティ映像で早くもファンダム(特定のファンの集い)を構築しつつある。おまけに秀麗なルックスに安定的なライブ実力も付いているので、彼らの成長を見守るだけでも十分に楽しそうだ。