決勝トーナメント1回戦でC組の1、2位が対戦するのは、死の組と呼ばれるD組の1位、2位。おそらくウルグアイ、イタリア、イングランドのいずれかになる。この3か国を「楽な相手」と言う人はさすがにいない。ブックメーカーの予想を眺めれば、死の組と言いながらもイタリア、ウルグアイが、イングランドに対して優位に立っている。
 
 英国のブックメーカーは、とりわけイングランド人の関心を煽ろうと、地元チームの予想を何事も高めに設定する。そうした傾向が強いにもかかわらず、イングランドは3位が妥当だと予想する。2位候補、ウルグアイとの差は大きいとブックメーカーは読む。
 
 日本が、晴れてグループリーグを突破しても、次戦で待ち構える相手はイタリアとウルグアイ。「過去3年で対戦したことのない国と対戦したい」と、ザッケローニは抽選前に述べたそうだが、イタリア、ウルグアイは今年対戦した相手。こちらの素性は知られている。ご存じのように、イタリアには3対4、ウルグアイには2対4で敗れている。もう1回戦っても、別の結果に終わりそうもないムードを感じる。少なくともいまのところ。
 
 メディアはその手の話を避けている。グループリーグ突破が、今回の目標になっているかのようだ。話題をすり替えている感じだ。
 
 しかし本番まで半年。時間はある。最低5試合見たいとザッケローニに強く要求するべきだと思う。決勝トーナメント1回戦でイタリアをキリキリ舞いさせる姿、2002年日韓共催W杯の韓国対イタリアのような試合が見たい、と。
 
 そこでヒディンクばりの采配をするザッケローニを拝むことができれば、僕的には満足なのだが、ザッケローニ的にも日本代表監督として、母国の代表チームを苦しめることは、監督冥利に尽きると思うのだが。

 それがザッケローニのモチベーションとなって覚醒し、これまでとは別人のような画期的采配に繋がれば、代表を取り巻くサッカーのエンタメ性は、グッと上昇するのだけれど。