中国の四大古典小説といえば、三国志、水滸伝、紅楼夢、そして西遊記だ。紅楼夢以外は日本でも有名であり、愛読者も多いことだろう。日本における西遊記のドラマや映画などでは、多くの場合は女性が三蔵法師を演じているが、実際の三蔵法師は男性であり、日本で女性として描かれることは中国人からすると非常に奇妙に映るようだ。

 中国大手検索サイト百度の掲示板に同話題に関するスレッドが立てられ、中国人ネットユーザーがさまざまな意見を寄せた。スレ主は、三蔵法師が女性であるばかりか、孫悟空が三蔵法師に恋愛感情を抱く映画もあることに驚き、「いったいなぜなのか?」と質問している。

 多くの中国人は、スレ主同様、三蔵法師が女性である設定を受け入れがたく感じているようだが、

 「男4人の旅なんて見たくないだろ?」 「長い旅路に美女がいなければ、誰が最後まで見るんだよ」

 など、意外にも三蔵法師を女性として描くことに賛同するコメントも多く寄せられた。そもそも西遊記は三国志とは違い、架空の小説であるため、このような設定にしてもかまわないのではないかと考えたのだろう。しかし、

 「原作者に対する敬意に欠ける」

 との意見もあった。中国人ネットユーザーの多くが“日本は何でも萌え化する”とのイメージを抱いているようで、三蔵法師の“萌え化”は受け入れがたい人もいるようだ。結局のところは

 「想像力の違いだ。監督は自分の想像に基づき撮影するからだろう」

 ということになるが、中国人にとっては三蔵法師が女性だという設定は“想像もできない”ことだったのかもしれない。(編集担当:畠山栄)(イメージ写真提供:123RF)