とはいえ、両社は財務上はまだまだ体力があり、すぐれた人材も多く残している。リーダーも若く、失敗を取り戻し、体制を整え、勢いを取り戻すすべも可能性もある。

思うに、Facebookは国内の10代〜20代前半のユーザーにはまだ十分な支持をとりつけられていないから、mixiにも大きなチャンスがある。米国を見ればわかるが、ティーンエイジャーの支持を集めるために、多くのスタートアップがFacebookの間隙を縫うように台頭しつつある。また、LINEは実名のメッセージングサービスであり、mixiはLINEと共存できるはずだ(共存のためには出会い系のようなサービスを買ってはいけないと思うが)。

GREEは、はやく身軽になってゲームメーカーとしてすべてのリソースを集中させるべきだ。勝てるかどうかはわからないが、現状のモバイルゲームの市場をみていると、やはり資金力のある企業でなければ勝ち抜けない。GREEの体力はまだまだ侮れない。

最後に結論。リーダーはみだらにライバルを怖がってもいけないし、自分たちの才覚を過信してもいけない。つねに初心を忘れず、自他を冷静に見つめることが重要だということだろう。


mixi


GREE

■著者の最近の記事
iPhone5sを手にして抱いた懸念
Twitter、ついにIPOへ
iPhone5s登場前夜祭(後編):Appleは新興国市場より先進国市場のビジネスユースに焦点を合わせている
iPhone5S登場前夜祭(中編):iPhoneとはいったいなんなのかを再検証する
iPhone5S登場前夜祭(前編):iPhoneとはいったいなんなのかを再検証する
ミニ動画ストリームと写真共有ストリームは融合するか
iPhone5SはApple神話に再び輝きをもたせられるか?
レスポンシブWebデザインとフラットデザインの時代を引き寄せよう



[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
twitter:http://www.twitter.com/ogawakazuhiro
facebook:http://www.facebook.com/ogawakazuhiro