どちらも良く見られる光景です。


このようなチーム成長の初期段階では、チーム力(チームシナジー)が生まれることは無く、個々のメンバーの力も本来持っているポテンシャルの一部しか発揮されていません。


結果として、チーム全体のパフォーマンスもとても低い状態です。


このように表面的な現象に惑わされず、現状の組織の状態(成長段階)をしっかり見極めて、その状態に適した対応を取ることで、無限に出続ける泡(課題)一つ一つに対処するのではなく、泥水そのものを浄化し、現象としての泡が出なくなる取り組みが可能となるのです。





■チームビルディング導入例に見る成果


さて、ここからは、実際にチームビルディングを自分の組織に導入した、大手通信企業の管理職へのインタビュー内容(質疑応答)をお伝えしたいと思います。


(ア)なぜ、チームビルディングを学ぼうと考えたのですか?


友人と「近頃、若手社員の育成が思うようにいっていない」というような会話をきっかけに、なぜそのようになったかを話していたら、


・若手社員は、短期間で多くの技術や作業方法を学ぶ必要があり、個人にかかる負担が大きい


・机上の技術習得は個人で対応できるが、業務ノウハウは職場の先輩達とのコミ


ュニケーションが必要で人間関係が重要。世代によるギャップもあり、なかなか良好なコミュニケーションができていない場合もある


 そんな中、「チームビルディング」という手法があると紹介され、応用できないか学んでみようと思いました。





(イ)チームビルディングを学ぶことで解決したかった課題は何ですか?


自分自身のマネジメントスタイルを変えたかった。


自分が描いている方針や業務のゴールを共有して欲しかった。


部下が自ら考え、行動してくれるようになって欲しかった。





(ウ)チームビルディングによって先ほど挙げられた課題は解決できると思われましたか?


具体的な例を挙げます。


若手社員がカイゼン活動を行う際に、定期的に進捗を報告する機会を設けました。


すると現状の課題や分析は割と予定どおり進むのですが、解決するための対策の立案の段階になると遅れがちになってしまいました。


理由を聞くと、「いくつも案が出て有効な対策が決められない」「議論が平行線になり結論が出ない」と言う意見がでました。


目先の仕事のやり方をルールなどの決まりごとや自分の考えを元に延々と議論に時間を費やしていたようです。


そこでチームとして取り組むための心構え「他者受容や自己開示」により、フラットな状態でゴールや目標の設定、そこに向けてのビジョンなどを共有しながら取り組めば結果はついてくると思いました。


チームビルディングを原則として関わるようになれば、担当内のコミュニケーションが良くなり、活気のある職場になるのではないかと思いました。





(エ)最初に効果を感じたのはどのようなことによってですか?


カイゼン活動の打ち合わせに参加した際に、議論をしているのを観察していたところ、以前は議論が平行線をたどるような状況では上司に結論を求め、私自身も自分の考えと議論の内容を元に決めていました。





(オ)最終的にどのような効果や成果が生まれましたか?


手始めに身近な課題を解決するため、日頃の仕事で不具合を感じていることをテーマにチームとして取り組んだ施策が社内のカイゼン活動で表彰されました。


テーマは全事業部から100テーマ以上エントリーされ、その中の10テーマが表彰の対象となります。私達の若手チームからは2テーマをエントリーし、2テーマともに表彰されました。