5月31日(金・現地時間)にフィリピン、マニラのSMモール・オブ・エイジア・アリーナで開催されたOFC09「RISE TO POWER」で、ビビアーノ・フェルナンデスとOFC暫定世界バンタム級王座決定戦を戦った岡嵜康悦。

昨年5月にプロ修斗世界フェザー級王座を陥落して以来、1年振りの試合でトップ中のトップ=ビビアーノに挑んだ岡嵜。完敗といえば完敗だったが、ビビアーノを慌てさせるシーンも幾度となく見せた大善戦でもあった。

そんな勝負を終えた直後、病院よりホテルに戻ってきた岡嵜の声をお届けしよう。

――耳の穴から出血があるということで、病院へ行く必要があったそうですね。

「鼓膜がちょっと破れただけなんですけど、他に要因があるかもという感じで病院に行かされました。1Rにバックを取られて殴られたときにボァっとなって、耳やなっていうことは自分でも分かりました」

――ビビアーノも試合前から、岡嵜選手のグラウンドでの防御能力を高さを話していましたが、それにしてもあの1Rのリアネイキドチョークをよく逃げることが出来ました。

「8割ぐらい深く入っていて、完全に極めに来ていました。凄く力を入れているのもわかりました。だから、あれを逃げるとチャンスはあるという風に考えていたんですよ。1Rはプレッシャーかけて、グラップリングで強く攻めてくると予想していたので、その通り組みに来たなと思っていました」

――その後はボディも何度も良いパンチを入れることができました。そして、バックマウントから逃げ続け5Rを戦い切ることができたのですが、テイクダウンを防ぐことは難しい状況だったのでしょうか。

「う〜ん、防ぐ術はあると思います。上田(将勝)選手とは違って、パワーを使い一発で持っていこうとするテイクダウンなんで、しっかりと持たれると持っていかれます。ただ、こっちの打撃が当たると、距離も遠くなるし、その場合は向こうの組んでくる力も弱くなるかなとは思います」

――倒されたとしても、岡嵜選手も当然のようにスクランブルの練習をしてきたと思うのですが、倒した後のビビアーノのポジション奪取能力も、他とは違うのでしょうか。

「そうですね、抑えに来る強さはあると思います。これまで3Rの試合を見てきたのですが、今日は5Rだったので、5R用の工夫はしてきていたように思いました。あんまり、ガチガチッといくのではなく、時間を使ってジワジワ攻めてくるという感じがしました」

――岡嵜選手の頑張りで、ビビアーノの打撃など粗が見えてきたような気がします。

「パンチは見えましたね。テイクダウンと混ぜてくる時はそうではないですが、打撃オンリーの展開だと距離を取れば、貰いはしないなと思いました」

――片足を取られて、そのまま連打をしてくるシーンなどは想定していましたか。

「来るとは思っていました。特に最初の方は力づくで、多少汚らしく見える攻撃でも仕掛けてくるだろうなって。4R以降は、そういうものはなくなっていきましたけどね。そこからはしっかりと押さえてきて、ゆっくりと攻めてくる感じでした」

――大健闘だったと思います。その一方で、岡嵜選手が攻勢を握ることはできなかった試合でした。

「完敗です。ラウンド別でいえば、全部取られている試合です。バックを取られても、上を取り直す動きをもっと早くして攻撃に結び付けるべきだと、試合が終わってからなんですけど思っています」

――その胸を合せることができるのが、本当に凄くて。何度となく、仕留められそうになっても難局を乗り切ったところは、本当に凄いディフェンスだと思いました。ビビアーノと5R戦い抜け、リアネイキドチョークを逃れ、下からの極め狙いを防ぐことができたという点は、どのように捉えていますか。