チェーペ被告の初公判

世界も注目したネオナチ3人組の生き残り、ベアテ・チェーペ(Beate Zschäpe)被告の初公判が6日、ミュンヘン上級地方裁判所で始まった。だが、初公判はわずか6時間半で終わり、14日まで中断されることとなった。

被告側が、裁判官は中立ではなく、公正さを欠くと抗議したことが理由だ。

Image:Beate Zschäpe/by ドイツ連邦刑事局(BKA)

8年間に10人殺害

チェーペ被告の他には支援者とされる4人が起訴されている。そのうちの2人は、ネオナチ政党「ドイツ国家民主党」の幹部だったラルフ・ヴォールレーベン被告とカーステン・S被告である。

両者は、殺人に使われた拳銃を手配したということで、殺人の従犯で起訴された。後の2人、アンドレ・E被告とホルガー・G被告は、テロ組織を支援した罪で起訴されている。

2000〜07年の間にトルコ人8人、ギリシャ人1人、女性警察官1人が殺害された。2011年11月、その殺人が「国家社会主義地下運動(Der Nationalsozialistische Untergrund:NSU)」と名乗り、外国人を敵視するネオナチ3人組の犯行だと判明し、全世界に衝撃が走った。

メンバー3人のうち男2人は自殺し、1人残ったチェーペ被告は自首した。

トルコメディア「ブレイビク容疑者の手紙」の存在示唆

トルコのメディアは、プロセスの序幕を大きい関心を持って報じた。トルコの日刊紙Hürriyetは、「恥知らずなナチ」、「ナチスの花嫁のショー」と題し、日刊紙Türkiyeも「ナチスの花嫁の恥知らずなショー」と、ほぼ同様のタイトルで報じた。

日刊紙Zaman英語版は、チェーペ被告のショーの背景にあるのは、ノルウェー連続テロ事件のアンネシュ・ブレイビク容疑者からの手紙だと指摘している。ブレイビク容疑者は、昨年、チェーペ被告に対し「親愛なるお姉さま」と呼びかけ、

「極右のイデオロギーを広めるために裁判を利用すること」

を働きかけていたようだ。

この裁判は、戦後ドイツの歴史で最大の裁判の1つになるだろう。判決がくだされるまでに、2年はかかるとみられる。有罪判決を受けた場合、終身刑が言い渡されるはずだ。

▼外部リンク

ヴェルト紙(Welt Online)
http://www.welt.de/politik/article115953029/

ヴェルト紙(Welt Online)
http://www.welt.de/politik/article115963413/

■関連記事