2012年9月の発売から半年以上が経過しているものの、iPhone 5はいまだに高い人気を誇っている。家電量販店での実売データを集計した「BCNランキング」の4月第2週(4月8日〜4月14日)の結果でも、ソフトバンクとKDDIのiPhone 5 16GBモデルが1位、2位を独占している。
もちろん、iPhone 5の発売以降、他のスマートフォンの機種が1位となることはあったものの、BCNランキングでは、iPhone 5は16GB・32GB・64GBという容量別で集計されており、それらを合計すれば、現時点での国内のスマートフォン市場でiPhone 5が独走状態にあることは明白といえる。本稿では、これほどまでにiPhone 5が人気となっている理由を考察していきたい。
iPhoneユーザーが、iPhoneの良さとしてよく挙げるのが「操作の快適さ」だ。とはいえ、単に快適かどうかで考えれば、ライバルであるAndroidスマートフォンも十分快適であり、その理由だけではiPhoneの人気を説明できない。そこで筆者は、iPhoneの人気の理由とは、ユーザーに「快適だな」と意識すらさせない快適さにあるのではないかと考える。その一例が、iOS 6以降に搭載された指の識別機能だ。
iOS 6の指の識別機能は、iPad miniの発売にあわせて搭載されたもので、iPhone 5やiPad mini、iPad Retinaディスプレイなど、iOS 6を搭載するさまざまな機種で利用できる。iPad mini発売時のこちらの記事でも詳しく紹介されているが、端末を持つために画面に触れている指と、操作するために画面をタッチした指を識別する機能となっている。
同機能は、iPad miniが従来のiPadと比べて、画面両端のベゼル(縁)が狭くなっていることから搭載された機能であり、画面に触れている指とタッチした指が識別されるため、iPad miniを持つ際に画面に指が触れてしまうことを気にする必要がない。言われなければ気づかないような機能だが、この指の識別機能があることで、意図せずに画面に触れてしまった場合でも、誤操作することなく快適に端末を使えるようになっている。気づかずに指の識別機能の恩恵にあずかっていたという人も多いかもしれない。
iPhone 5は、iPad miniほどは大きくないため、片手でも十分操作できるが、ときには両手で操作することもあるだろう。また、iPhone 5は横幅58.6mmのコンパクトな筐体に4インチディスプレイを搭載しており、iPad miniと同様にベゼルは狭い。そのため、iPhone 5を片手で持ち、もう一方の手でタッチするときに、iOS 6の指の識別機能が役に立つ。たとえば、Webブラウザの閲覧中やホーム画面を表示しているときに、左手の指が画面に少し触れていても、右手の指でスクロールや画面の切り替えが可能となっている。しかし、これは実際に使っているときには気づかないような、細かな工夫でありこだわりだ。
それでは、ライバルであるAndroidスマートフォンはどうなっているだろうか。
ハピタス
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