■サッカーの楽しさを知るのが一番重要

今回処分を受けた6選手を含め、未成年でスペインに渡りプレーしている選手たちは、基本的にはFIFAが認める国際移籍の例外項目?を理由に学生ビザを取得した上で、チーム登録、プレーをしている。また、スペイン国内では学生ビザを取得して滞在許可が下りている選手のプレー機会をFIFAが奪うことは権利剥奪につながるという主張もあることから、FIFAが本腰を入れて18歳未満の選手の国際移籍を取り締まることはないと見ている。さらには、もしFIFAが真剣に取り組もうとするならば、スペインだけでも約1万5千人の外国人選手たちが活動停止の対象となる。

ドイツを中心に欧州で日本人選手の能力、ポテンシャルが評価され始めてきたことによって今後は宮市亮(アーセナル)、木下康介(フライブルクU−19)といった高卒での海外移籍のみならず、バルサの久保君のような18歳未満の選手の海外挑戦も増加すると予想されるが、基本的にはチェルシーが述べるように特に義務教育期間となる小中年代ではサッカーの楽しさを知ることが一番重要で、それは日本国内でも十分実現できることだと考える。

■著者プロフィール
小澤 一郎
1977年、京都市生まれ。サッカージャーナリスト。スペイン在住歴5年を経て、2010年3月に帰国。スポナビ、footballista、サッカークリニック、サッカー批評、サッカー小僧、ジュニアサッカーを応援しよう!などで執筆中。
著書に『スペインサッカーの神髄』(サッカー小僧新書)がある。また、「まぐまぐ」より、メルマガ『小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」』を配信中。