先日紹介したようにマイクロソフトのタブレット端末「Surface RT」が日本でも発売される。この製品はWindows RTを搭載している。そして、このWindows RTは従来のWindows 7やWindows 8とは、まったく異なるOSなのである。
一見するとWindows 8と同じ操作性になっているし、そもそも“Windows”という名前がついている。ハードウェアもタブレットPCにしか見えない製品で動作している。
同じものだと勘違いしがちだが、実際には使える、というより動作するソフトがWindows 8とは異なる。そこでWindows RTとWindows 8の違いについて紹介しよう。
パソコンにある程度詳しい人にはあたりまえのことだが、アプリケーションというものは動作対象のOSでしか動かない。例えば、MacではWindowsのソフトは動かないし、iPhoneではMacのソフトは動かない。
だがWindowsはXP、Vista、7、8などとバージョンアップを繰り返しており、その上下関係では、基本的に以前のバージョンと互換性があり、多くのソフトは新しいWindows上でも動作させることができる。
■残念ながら過去のWindows向けアプリはWindows RTでは動作しない
先述したようにWindows RTはWindows 8と同じ“Windows”という名称が付いていて見た目も同じだ。ハードウェアを見る限りパソコン上で動作しているように見える。にもかかわらず過去のWindowsとは互換性がないのである。これは、ハードウェアのアーキテクチャ(構造)が異なるからだ。
Windows XPから8までは、インテルやAMDのCPUで動く命令「x86」という命令を組み合わせてWindowsが構成されている。これに対してWindows RTはスマートフォンやタブレット用に開発されているARMというCPUアーキテクチャ上で動作する命令によって構成されている。
見た目は同じWindowsの画面だがx86とARMは、CPUの構造が全く異なっている。x86向けに作られたアプリケーションはWindows RT上では動作しないし、Windows RT向けに作られたアプリケーションはWindows 8では動作できない。
今までWindows XPやWindows 7で使用していたツールや、Windows RTが登場する前から提供されてきた多くのWindows用ソフトはWindows RTでは動作しないと考えていい。
Windows RTで動作するソフトは、Windows RT端末から利用するWindows ストアで購入しインストールする。
どのソフトが動作するかは、Windows RT端末を購入する前にチェックしておく必要がある。
■Officeはマクロなどが使えない
Windows RTの特徴はマイクロソフトのOfficeが使えるという点だ。WordやExcelなどの使い慣れたソフトが基本的にそのまま動作する。これはWindows RTに向けて開発されたソフトで、Windows 8などに提供されているOfficeとは異なる。
このため、基本的な機能はそのまま使える物の、マクロなど一部機能が使えない。このため、Excelなどでマクロなどを多用し、複雑な計算をするワークシートはWindows RT版のExcelでは従来のようには使えないといった点に注意するようにしたい。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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