16日、中目黒のバンタンゲームアカデミーで「ナカメキノ、桐島やるってよ」イベントが行われ、映画『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督、佐藤貴博プロデューサー、そして東出昌大、松岡茉優、落合モトキ、浅香航大という本作の「イケてるグループ」の面々が集まった。
東京・中目黒で映画の無料上映会&ゲストを招いてのトークイベントを実施する「ナカメキノ」イベントの第2弾企画となった本イベント。この日の観客は、靴を脱いであぐらや体育座りなどをしながら映画を鑑賞しており、この光景を見た吉田監督は、「靴を脱いだお客さんの前に立つのは初めて。東京だと池袋、渋谷、有楽町と場所によってお客さんの雰囲気が違うんですが、今日はまたさらにいつもと違いますね。(神木隆之介が演じる映画部部長の)前田みたいな人はいないなと思いました」としみじみ語る。
本作は高校内に歴然と存在する「イケてるグループ」「イケてないグループ」といったカーストをハッキリと描き出したことで公開時から話題に。この日のトークショーに参加した「イケてるグループ」の面々も、役柄を離れれば「(イケてないグループの)前田の心情で映画を観ていた」とのこと。特に渋谷で映画を観たという松岡は「(松岡自身が演じる)沙奈がラストシーンで暴言を吐いていて、会場がドッカンドッカンとウケていたんですが、わたしは前田の気分で観ていたんで、すごくイライラしましたね」と意外な心境を明かした。
吉田監督いわく「僕の映画に説明が足りないのは昔からだけど、この映画は(解釈がいろいろとできるような)スペースがあった。映画として幸せだと思う」という本作。この日も観客からは「(「イケてるグループ」に所属している)かすみ(橋本愛)は内心、前田のことが好きだったのに、学校のヒエラルキー的なことから、気持ちを出せなかったのでは?」といった質問が寄せられたが、それに対して吉田監督は「どうですかね。かすみに聞いてみないと」と言葉を濁す。「そういうことは考えていなくて、観た人が決めてほしい。そういう種類の映画だと思います」とメッセージを送っていた。(取材・文:壬生智裕)
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