片付けるだけでなくインテリアの役割にもなる棚。

始めはこだわりをもって飾ろうとするものの、いつのまにかただの荷物置きでぐちゃぐちゃに……ということはありませんか? 少しでもおしゃれに活用する方法について、インテリアブランド「イデー」販売本部の原田陽子さんに、お話しを伺いました。

■よく使うアイテムは目線からそらした場所にまとめて置く――片付けが苦手な人でもできそうな収納の方法はありますか。

原田さん:まず全ての持ち物に「しまう場所」を決めましょう。

基本は、使う頻度の高いものは目線の高さに、あまり出し入れしないものは高い場所や低い場所など、姿勢を変えなければならない位置に置いて無駄のないように収めることです。

ですが、よく使うアイテムを常備する場所は、ディスプレイが乱れがちです。

「片付けられない、でもすっきり見せたい!」という方は、これらのアイテムをあえて目線の高さからそらした場所にまとめて置くことで、視界の乱れを最小限に抑えることができるでしょう。

どうしても目に入ってしまう場合は、棚のサイズに合った紙製や木製のシンプルなボックス、植物かワイヤーなどのバスケットを複数揃えてモノを収納する方法もお勧めです。

色柄ともにデザインの揃った箱で統一するのが、スペースをすっきり見せるポイントです。

――使い勝手が悪く、荷物置きになってしまった棚をおしゃれに見せる方法はありますか。

原田さん:テレビキャビネットやサイドボードのような区切りのある棚の場合は、例えばいつの間にか別の場所にありがちなCDや小物を、「一つの区切りの中で収める」と決めて整理します。

その際、ひとつの区切りの中を、本なら本、CDならCD、とジャンルを統一するようにしましょう。

縦横の向きと高さを揃える、手前は低く、奥は高く置くこともきれいに見せる基本です。

できれば色も揃えるとかなりすっきりするでしょう。

目に入る範囲が大きく、長いお付き合いになるチェストやキャビネットは、機能と同じくらいデザインにも気を配りたいアイテムです。

その家具があるだけでおしゃれ感がアップします。

低めのチェストなら、棚の上のディスプレイを楽しむこともできます。

単なる荷物置きにならないよう、積極的に飾って楽しみましょう。

――では、どのようなモノをディスプレイすればいいでしょうか。

選ぶコツはありますか。

原田さん:例えば玄関は、外出時や来客時に始めに目に付く場所ですから、お気に入りの花器で季節の花を生けるなどして「季節感を演出する」という方法があります。

グリーンがあるだけで部屋が生き生きとします。

「花や観葉植物は枯れてしまわないか心配」という方は、サボテンや多肉植物のミニ盆栽はどうでしょう。

水の量が少なくてすむので比較的扱いやすいでしょう。

リビングルームなどの住空間では、ルームフレグランス(ディフューザー)を置くことをお勧めします。

おしゃれなボトルは空間のアクセントになります。

それに、部屋全体をお気に入りの香りで満たす、その日の気分や体調にあわせて香りを選ぶというのも空間を楽しむ方法の一つです。

――ありがとうございました。

大切なアイテムから必需品までをどうディスプレイするのか、あるいは隠すのか、また、インテリアの高さと目線による印象との関係性が分かりました。

棚を収納家具としてではなくインテリアの一部と考えることで、おしゃれ部屋に見せる活用法ができそうです。

監修:原田陽子氏 株式会社イデー販売本部。

同社は、東京・自由が丘店、ミッドタウン店をはじめ東京都内7店舗およびオンラインショップを運営。

オリジナル家具を中心に国内外からセレクトしたデザイングッズ、ステーショナリー、書籍などを扱うほか、カフェやグリーンショップを手がける。

自由が丘店TEL 03-5701-7555、ミッドタウン店TEL 03-5413-3455 http://www.idee.co.jp/(岩田なつき/ユンブル)