Windows 8対応製品の中で、他のタブレット製品に対して優位に立てる点が電磁誘導ペン(デジタイザペン)を使える製品が多く用意されているところだ。通常のタッチセンサーに加えペンでの操作に対応することで、実際の紙にペンで書いているような使い方が期待できる。
さらに、今後登場してくる高性能な静電式センサーの液晶パネルでは、電磁誘導ペンがいらなくなるくらいの精度で、静電式センサーだけでペンや指を切り替えて使えるようになる。
■電磁誘導ペン
最近の液晶パネルでのタッチ対応は静電式によるものだ。これに電磁誘導ペンを使えるようにするには、静電式センサーの他に電磁誘導ペンへのハードウェア対応が必要になる。
ソニーのVAIO Duo 11に提供されるMetaMoJiのNote Anytime for VAIOでは、指の操作と電磁誘導ペンの操作を切り替えることで、実際に紙とペンで書いているような操作性を実現しようとしている。
電磁誘導ペンには一般的にバッテリーが入っており、より精密な操作ができるし、ボタンがあるので実際のペン以上の使い方ができる。
しかし、電磁誘導ペンを使うには、指で操作するための静電式センサーに加えて、電磁誘導ペンそのものも必要だし、さらにセンサー自体の対応が必要になる。
■これからの静電式センサー
この電磁式ペンなどが必要なくなりそうなのが、これから製品化が期待される静電式のセンサーだ。静電式のタッチパネルは液晶自体からのノイズがタッチパネルの精度に影響している。シャープのIGZOなどは、そのノイズが減るため、タッチパネルの精度向上が期待できるとしている。
世界最大規模のフラットディスプレイ関連の展示会であるFPD International 2012で、ジャパンディスプレイが液晶パネルにセンサーをインプリメントする「Pixel Eyes」を応用したタッチセンサーのデモを行っていた。
・ジャパンディスプレイの高性能タッチセンサー内蔵液晶(動画)
ここでは、ペンのみで操作できるように設定されていたが、電磁誘導ペン並みの精度で静電容量式センサーのタッチパネルPixel Eyesを通常のペンで操作することができた。
ペンは静電式に対応できるモノが必要になるが、バッテリーや特殊な機器も必要ではなく、指とペンでの操作を認識できる。このため従来は静電式センサーによる指の操作と、電磁誘導ペンでの操作を切り替えていたことが静電式センサーのみでできるようになるわけだ。さらに、今回紹介した技術ではセンサー自体を液晶パネルへインプリメントしているので、液晶の薄型化も可能になっている。将来の応用製品が楽しみだ。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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