25日、プロ野球ドラフト会議が都内で行われた。

ドラフト浪人した東海大・菅野智之投手は、巨人の単独指名を得るに至り、大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手、亜細亜大・東浜巨投手などの注目選手たちは、それぞれ阪神、ソフトバンクが交渉権を得た。

また、今回のドラフトでは、花巻東・大谷翔平投手がメジャー入りを表明し、これが大きな波紋を呼んでいる。日本のプロ野球球団がドラフトで指名し、交渉権を獲得しながらも、これを拒否して米球団と契約した事例はなく、日米間におけるドラフトに関するルールがない現状、今後も大谷投手のようなケースが増えることは必至といえる。

同日、テレビ朝日「報道ステーション」では、『日米間に「明確なルール」なし "新たな時代"に日本球界は』と題し、同問題を特集した。

VTRでは、ドジャース日本担当スカウト・小島圭市氏の談話を紹介。小島氏は「日本は私1人でアジアは各国1人ずつ、韓国、台湾ですね。で、あとはオーストラリアとか、アメリカ国内とか、中南米とかヨーロッパとか、全世界を一応年中回りながら。忙しい時期にはパートタイムを増やして50〜60人の態勢で見ている」といい、世界中から有望選手を集めようとする米球団の体制を語る。

実際、大谷投手についても、「僕はもう初めて見た時に言ってました。この子はアメリカでも活躍できるようになる素材だと」と話す小島氏。その言葉からも、行き届いた米球団のスカウト網をうかがわせた。

また、スポーツジャーナリストの古内義明氏は、「人材がいないから、日本、アジア諸国、ヨーロッパにスター選手の発掘を行いたいと。そのためにWBCというイベントを作って、メジャーリーグの球場でプレーして貰い、いい人材を発掘しようという流れがある」と説明。WBCでさえ、選手発掘の場である要素を明かしつつ、「日本のプロ野球12球団と、メジャー30球団。合計42球団のプロ野球球団から選択する時代がもはや来ている。そういった現実を日本の球団関係者はもっと直視するべき」と提言した。

今回のドラフト会議で、北海道日本ハムが大谷投手への強行指名を行ったが、当の本人は、現時点において、メジャー入りの意思に変わりはないという。今後も増えるであろう、メジャー入りを希望する有望株の海外流出。小島氏は、番組のカメラに「野球界の人全体で意識改革をもっとするべきじゃないかなって思う。魅力ある野球界を日本の中で向き合って、作っていくべき」と話した。