[画像] ST、車載用デジタルオーディオパワーアンプのSoCファミリを発表

STMicroelectronicsは、車載用フルデジタルオーディオパワーアンプのSoCファミリとして、135W×4の「FDA4100LV」と50W×4の「FDA450LV」を発表した。

同製品は、ヘッドユニットおよび外部アンプなどの自動車のダッシュボードに固定する音響システムの操作パネルでの使用に最適となっている。

D級オーディオパワーアンプは、AB級アナログオーディオパワーアンプより約80%高い電力効率を実現する。

従来のD級車載アプリケーションは、コスト、基板サイズおよびEMI(電磁障害)の問題などにより、高出力外部アンプに限定されてきた。

同製品は、これらの課題を克服しており、迫力ある高品質サウンドを一般的なヘッドユニット、外部アンプ問わず様々な車載機器で実現することを可能にすると同社では説明している。

そして「FDA4100LV」は昇圧コントロール機能を搭載し、少ない部品点数で電源電圧を昇圧でき、高出力外部アンプの設計に最適されたものだという。

また、6Vまでの動作を保証した低電圧駆動を実現しており、アイドリングストップ機能を搭載した自動車や、様々な動作モードによって電源電圧の変動が激しいハイブリッド車などにおいて、音の途切れのない再生を可能にする回路を搭載している。

さらに、直接デジタル信号入力を可能で、DAC/LPF/アナログボリュームICなどのアナログ信号入力タイプのD級パワーアンプに必要な小信号系の回路が不要となるため、基板の省スペース化と部品点数の削減が可能。

加えて、チップ内部でEMI特性の改善を可能とする回路も搭載し、設計工数の軽減にも寄与するほか、様々なインピーダンス特性を持つ多種多様なスピーカにおいて、特許取得済みのフィードバックループ設計によるオーディオ帯域でのフラットな周波数特性が高品位な音質を実現することが可能だ。

この他、PWM発振周波数の高精度な変更が可能な特許取得済みの機能を搭載することで、チューナ回路との共存が可能となる。

これにより、EMIが軽減され、自動車EMC(電磁両立性)規格CEI EN 55025およびISO 11452-2(2004)への準拠が容易となる。

なお同社では、FDAフルデジタルオーディオパワーアンプファミリの拡充を計画しており、2013年初旬には、2チャネルに対応した製品を発表する予定。

今回の「FDA4100LV/FDA450LV」との組み合わせて使用すると、最大6チャネルのシステムを2チップで構成することが可能となるという。

なお、価格は1000個購入時で「FDA4100LV」が約9ドル、「FDA450LV」が約8ドル。

現在量産中。



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