週刊少年ジャンプ(集英社)の人気タイトル『いちご100%』(原作:河下水希)。
ヒロインたちのピンクなシーンに毎週悩まされた青少年も多かろう、恋愛系ジャンプマンガである。

中学3年生の真中淳平(CV:鈴村健一)はある日の放課後、学校の屋上で美少女の「いちごパンツ」を目撃してしまう。パンツを見られた本人は地味な優等生、東城綾(CV:能登麻美子)だが、その少女が誰であるかを探し求め、学年トップアイドルの西野つかさ(CV:豊口めぐみ)だと勘違いし交際をはじめる。

高校に進学した真中は、新しい同級生になった北大路さつき(CV:小林沙苗)を交え、中学時代からの友人らとともに映像研究部を立ち上げる。彼らは、学校に残されていた過去の映像コンクール応募作品を発見し、それを超える作品をつくろうと、東城が脚本・真中が監督を担当し、文化祭での発表と映像コンクールへの応募を目指して作品を作り始める。
真中家に居候する受験生の南戸唯(CV:水樹奈々)も参戦し、真中を中心に4人のヒロインたちが恋の混戦を描き出していく。妄想炸裂の、笑えて泣ける学園恋愛物語である。

人気原作がアニメ化するとあってファンの期待が高まる中、「どこまで出すの?」という疑問も上がったTVアニメ『いちご100%』。
放送コードギリギリだった当時のお話を、監督・関田修氏に伺った。


−−週刊少年ジャンプの恋愛マンガ『いちご100%』を読んだときの印象はいかがでしたか?

監督・関田修氏(以下、関田):
アニメ化するというオーダーを受けたとき、『いちご100%』を読んだことが無かったんです。話を頂いてから読み始めたんですが、思ったのは「これは本当に放送できるの?」というところでした。
当時パンツを描くという表現はどこのTV局でもNGだったんですよ。アニメ化が決まったということは放送OKになったということでしょうけど、それでも物語のスタートは衝撃的ないちご柄のパンツですから(笑)
主人公の真中は、頼りない感じの男の子ですよね。それでも周りの女の子たちにモテまくる。なんでモテるのかわからない部分もありましたね。多分、ヒロインたちの母性愛をくすぐるんだろうなってことと、女の子に対して積極的な部分もありましたので、モテの秘訣はそこなんだろうかと。

−−そんな真中君とは対照的に、しっかりした女子力高めなヒロインたち。個性的な彼女らを描くのはいかがでしたか?

関田:
基本的には、原作に忠実に彼女たちを描いていきましたが、東城は「純真な女の子で優等生」西野は「強気な女の子で学園のアイドル」…ツンデレに近い気分でキャラ立てていきましたね。
時間制約で物語の細かいシチュエーションは描けなかったので、ヒロインを対比することで個性を出したというのもあります。東城は西野みたく気が強い雰囲気は無しで恋愛に奥手そうですよね。

−−胸の大きさでは、東城さんのほうが…。

関田:
結構大きいんですよね。でもサイズを強調しちゃうと、ただでさえいちごパンツから始まっているアニメですから、エロくなってしまい放送に差し障りが。
西野は曲線的ですが胸は控えめですので、性格も体つきも東城との差が生まれてましたね。

−−監督にとって、難しかった部分はございますか?

関田:
難しかったのは、僕は女の子の恋愛感覚がわからない!というところでした。男ですから(笑)。
非常に少年マンガらしいと感じていたので、原作者の河下水希先生は女性マンガ家さんだと知ったとき驚きました。体系の描き方も男目線からみた女の子像でしたし。