原作:貴志祐介×監督:三池崇史×主演:伊藤英明、という最強の顔合わせで贈る戦慄のエンターテインメント、映画『悪の教典』とBeeTVドラマ「悪の教典―序章―」が遂に完成。10日にはTOHOシネマズ六本木ヒルズにて完成披露舞台挨拶が行われ、主演の伊藤英明を始め、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都などの注目の若手俳優、ドラマに出演した高岡早紀といった煌びやかな女優、そして映画で監督を務めた鬼才・三池崇史と原作者の貴志祐介が登壇した。

 聖者の仮面をかぶり、高いIQと冷徹な行動力を併せ持った殺人鬼が、真夜中の高校で繰り広げる血に塗られた宴。生徒から絶大な人気を誇る高校教師が、担任するクラスの生徒全員を大殺戮する姿を描いた映画『悪の教典』。さらに、映画では描ききれなかった原作のストーリー部分を映像化したBeeTVドラマ「悪の教典―序章―」。特に映画では、その残虐な描写から【R-15指定】を受けるなど、早くも賛否両論巻き起こっている。

 伊藤は「今まで映画の中で沢山の人を救ってきて、今回は大殺戮劇を行っている訳ですけど、同じ年に演技だけでなく、公開にこぎ着けられて幸せに思ってます。伊藤英明を嫌いになっても『海猿』は嫌いにならないで下さい!というAKB48の前田敦っちゃんが言ったことがまさに当てはまるなと思って。秋元康先生に電話したんですけど、電話に出られなかったので無許可で言わせて頂きました。大変申し訳ありません。」と挨拶。

 撮影を振り返り、自身が演じた蓮見について「撮影はものすごく楽しかったんですけど、殺人鬼という到底理解し難い役を自分の中に取り込もうと沢山迷って、戦いました。」と告白。クライマックスの見せ場となる、蓮見が散弾銃で生徒一人一人を銃殺していくシーンでは、「経験ある人から、全く今日初めて芝居をしましたという人達までいて、1回で成功させる必要は無いんですけど、色んなプレッシャーを抱えている中で、上手くやろうとか、小手先でやるのではなく、エネルギーのぶつけ合いでした。」と若手俳優たちとの共演について語った。

 続いて、三池監督については「限られた予算・時間・スタッフ・キャスト・セットを全部使い切る、エネルギーの固まりのような、ものすごく愛のある監督でした。その監督の前で、自分をさらけ出さず、心を裸にせず、小手先だけで演技をしていたら、これからの仕事もつまらなくなると思いました。」とコメント。そして本作について「自分の中で色々怖い部分や不安な部分とか沢山あったけど、ここにいるキャストとスタッフ皆さんの力で、全力で振り切って、自分を出すことが出来た作品です。果たしてどう映るか分からないですけど、間違いなく『海猿』と並ぶ自分の代表作になったと確信してますし、お客さんにはエンターテインメントとして、映画として楽しんで帰って頂けると思ってます。」と自信を覗かせた。

 ここで嬉しいニュースとして、本作が11月9日に開催される第7回ローマ国際映画祭にて、映画祭事務局からの熱烈なラブコールを受け、コンペティション部門に正式出品されることが決定したと発表。三池監督は「歴史は浅いんですけど大きな映画祭で、色々刺激的な映画を楽しもうという、エンターテインメントに溢れた映画祭で、オープニングの次に、コンペティションとしては1本目の上演になるようで、非常に嬉しく思っています。」と笑顔で述べた。

 また、本作のタイトルにちなんで、最近してしまった悪いことについて聞かれると、伊藤は「見ての通り、僕ちょっと日焼けしてるんですけど、昨日までお休みを頂いて、バリ旅行に行ってました。親父に『いつ帰ってくるんだ?お前、10日に仕事じゃないのか?』と聞かれたので、『9日に帰ってくるよ』と答えたら、『お前、バカじゃねーのか?何かあったらどうするんだ?』と怒鳴られまして。そんなミスを犯す訳がないと思って『遊びも、仕事も一緒なんだよ!俺には俺の世界がある!』と格好つけて言ったんです。9日ギリギリまでいて、空港に向かっている途中、パスポートと財布が無いことに気付きまして。もうバリを出る1時間前ですよ!すごく冷や汗をかいて、親父の言葉が思い浮かんで、俺は本当にバカでした…。だけど、間に合って良かったなと(笑)。ちゃんと言うことを聞いておけば良かったな、悪いことをしたなと思いました。」と明かした。

 最後は、劇中の大殺戮シーンで使用された散弾銃さながらの、手持ちのバズーカキャノン砲を登壇者全員が客席に向かって撃ち込み、映画&BeeTVのヒットを祈願。伊藤は「『悪の教典』をやったせいか、こういうのを持つと異様に人に向けたくなっちゃいますね。こういうものは絶対に人に向けてはいけません!」と述べると、「ちょっとショッキングな部分や怖い部分も出てくると思いますけど、大声を出して、隣の人の手を握って、それでも足りない時は抱きついて、この映画からどうか生還して下さい。」と締めくくった。

ドラマ「悪の教典〜序章〜」公式サイト 10.15 BeeTVで独占配信

■関連記事
“教師の鑑”の本性、凶行前夜の日常に潜む見えざる悪意