いまSkeuomorphism不要論が広がっているのは、スマートフォンやタブレットなどタッチデバイスを多くの人が操作できるようになり、もはやマニュアル的な過剰なSkeuomorphismを不要と思う人が増えてきたからではないだろうか。
だがAppleはこれから、パソコンやモバイルデバイスにあまり関心のない普通の人たちに受け入れてもらう方法を考えなければならない。
その点でiOSを手がけるForstall氏はSkeuomorphismに積極的なのかもしれない。
Co.DISIGNの記事は、Skeuomorphismに熱心なAppleに批判的で、情報を機能的に示すMicrosoftのMetro UIこそ将来を見据えた斬新なアプローチとしている。
ページめくりのようなSkeuomorphismは橋渡しのUIとして効果が高い。
だが極端な話、将来電子書籍が当たり前になれば、ページをめくるという操作に人々は違和感を覚えるようになるだろう。
エミュレーションは所詮エミュレーションであり、いつかは本物が定着する。
Metro UIが、その本物なのか。
Windows RTやWindows Phone 8に、ごく一般的な消費者がどのように触れ、どのように使いこなすか興味深いところである。
個人的にはタッチデバイスの普及と共に、Skeuomorphismがもてはやされた時期を過ぎて幻滅期を迎えたような印象を受けている。
Skeuomorphismは目的を設定して、そのためにエミュレートすべきものを慎重に選択しなければならない。
戦略性が問われるUIだ。
その問題点と課題が浮き彫りになってきたのが現在であり、こうしてUIに関心を持つ人たちの間で議論が深められれば、やがてSkeuomorphismを効果的に使いこなすデザイナーが増え、回復期・安定期を迎えるのではないだろうか。
Appleも無闇やたらにSkeuomorphismデザインを増やしているのではなく、例えばSiriのカードのように、着実にテクニックを磨いている。
このコラムが読まれる頃には、iOS 6の配信が始まっているだろう。
アップデートされた方は、Skeuomorphismデザインを意識しながら使ってみると、新たな発見があるかと思う。
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